1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63460092
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
加藤 宏 東京都立大学, 工学部, 教授 (30087176)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水沼 博 東京都立大学, 工学部, 助手 (20117724)
後藤 清治 東京都立大学, 工学部, 助手 (50087178)
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Keywords | 分岐管 / 二次元流れ / 粘弾性流体 / 高分子溶液 / 圧力損失 / 剥離渦 / 流れの可視化 / 数値解析 |
Research Abstract |
ニュ-トン流体であるグリセリン水溶液と粘弾性流体であるセパラン水溶液を用いて二次元分岐流れにおける分岐部の流動様相の可視化実験、圧力分布および圧力損失の測定、数値解析を行い次の知見を得た。 1.流れの様相:分岐流れではセパランはグリセリン水溶液と同様に分岐管上流コ-ナ部および支管上壁面側に剥離渦を生じるが粘弾性流体の方が剥離渦の大きさは小さい。セパランではニュ-トン流体では観察されない分岐流線が流量の少ない側に入り込む現象を示し、相手側に逆流域を生じた。支管が閉塞の場合、粘弾性流体では流線の支管側への膨らみの大きさは変わらないが、最大部はRe増加と共に上流側に移動する。本管下流が閉塞の場合、粘弾性流体では本流が本管下流に大きく入り込み現象を示した。Reが70ー200程度になると流れは三次元的になる。 2.分岐損失係数:粘弾性流体の支管損失係数(ζ12)、本管損失係数(ζ13)ともにReが増加すると減少し、分配比の影響が段々小さくなる。そして流れが三次元的になると再び差が生じる。分岐流れではT形と45度Y形で損失係数の差が見られないが、三次元的になるとT形の方が大きくなる。支管が縮小するとζ12は増加するがζ13は変わらない。支管が閉塞している場合はζ12、ζ13はともにT形と45度Y形で差はないが、支管が縮小するとζ13の値は小さくなった。本管下流が閉塞している場合、ζ12、ζ13は形状の影響に関しては分岐流れと同じであるが、支管が縮小するとその値は大きくなった。ニュ-トン流体と比較するとレイノルズ数(Re)が小さいときは粘弾性流体の方が大きいがレイノルズ数が増加するとその差は段々小さくなる。 3.数値計算:計算で得られた粘弾性流体とニュ-トン流体の流れの様相は実験結果と定性的に一致した。しかし、分岐流線の流量の小さい方への入り込みは計算では得られなかった。
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