1989 Fiscal Year Annual Research Report
微粒子を含む高速二相気流の境界層における微細構造と相変化を伴う熱移動過程
Project/Area Number |
63460093
|
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
吉岡 英輔 早稲田大学, 理工学部, 教授 (50063699)
|
Keywords | 圧縮性流れ / 二相流 / 境界層流 / 壁面熱伝達 / 壁面凝縮 / 数値解析 / 衝撃波管実験 / 境界層制御 |
Research Abstract |
本研究では微粒子が分散した気体の高速流境界層流れの特性を数値解析と実験により明らかにする。微粒子の運動および凝縮等の相変化による質量と熱の移動か、境界層構造やはく離、壁面熱伝達に及ぼす影響を物理的に明確にすることを目的としている。研究は以下の二つに分けられ構造されている。それぞれについての今年の実績を記す。 (1)相変化のない固体微粒子群が境界層流れに及ぼす影響 粒径5〜50μの微粒子が混合された気体について、平面衝撃波後方に発達する平板境界層流れを調査し、その構造を完全に把握することができた。気流方向に作用する粒子抗力、気流直方向に作用する粒子揚力を二相流解析に導入し、粒子間の相互干渉モデルを加味することにより、大粒径の場合に形成される多層構造、小粒径の場合の分散層構造などが明らかにされた。また壁面熱伝達には粒子の初期熱吸収以外に、この多層構造に基く二相流体内エネルギ分布の変化が影響することが見出された。これらの結果について、粒子数密度計測と白金薄膜熱量計による熱伝達計測を行ってある程度定量的な確認を行うことができた。今後、微小粒径(5〜15μm)の粒子錦について計測法を開発し計算結果を確認する。 (2)壁面冷却による境界内凝縮滴の成長と境界層はく離の抑制 今年度は翼面境界層はく離の冷却による遅延について実験デ-タを蓄積した。平板に接続する円弧翼の後縁凹部で発生する境界層はく離と発生衝撃波のシュリ-レン写真により、翼面冷却(-60℃)がはく離位置の後退と後流厚さの顕著な減少をもたらす事を確認した。これは大気に含まれる蒸気成分が翼表面で凝縮することによるものと考えられる。冷却温度と蒸気含有量をパラメ-タとしてより詳細な調査を行う。さらにこれまでに準備した数値解析プログラムによる流れ解析と、均質凝縮モデルによる境界層凝縮解析によって、詳細な構造分析を予定する。
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] Eisuke Outa,E.Matuda,K.Tajima: "Shock Tube Study on NonーEquilibrium Wall Condensation of a SuperーHeated Freon Vapour Flow" Shock Tubes and Waves Proc.16th International Symposium on Shock Tubes and Waves,Aachen 1987. 289-295 (1988)
-
[Publications] Eisuke Outa,K.Tajima,M.Kobayashi,S.Mimura: "Boundary Layer of a Non-Equilibrium Gas-Particle Mixture Modified by Particle Lifting Motion behind a Shock Front" Shock Tubes and Waves Proc.17th International Symposium on Shock Tubes and Waves,Bethlehem 1989. (1990)
-
[Publications] 大田英輔,田島清〓,小林眞志,三村俊介: "微粒子混合気体流れの衝撃波後方における速度非平衡境界層(層流境界層の構造に関する数値解析)" 日本機械学会論文集. (1990)
-
[Publications] 大田英輔,田島清〓,小林眞志: "微粒子混合気体流れの衝撃波後方における速度非平衡境界層(微粒子濃度分布と壁面熱伝達の計測)" 日本機械学会論文集.