1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63460097
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
黒崎 晏夫 東京工業大学, 工学部, 教授 (70016442)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 純 東京工業大学, 工学部, 助手 (40210455)
佐藤 勲 東京工業大学, 工学部, 助手 (10170721)
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Keywords | 流動層熱交換器 / 伝熱促進機構 / 接触熱伝導 / 光学的可視化 / 物質伝達 |
Research Abstract |
本研究では、流動層熱交換器の伝熱促進機構を詳細に検討するために、伝熱面のまわりの流動粒子への熱移動に主眼をおいてその寄与を調べてきた。本年度は、昨年度に引き続き、流動化粒子と伝熱面間の接触熱伝導の観点から伝熱促進機構の微細構造を検討し、以下の結果を得た。 1.粒子・伝熱面間の接触状況の光学的可視化を粒子の径を変えて行い、接触頻度・時間に対する粒径の影響を調べた。ただし粒径の変化は、流動層の流動化状態が大きく変化しない範囲(dp=200〜600μm)にとどめて検討した。その結果、本実験の範囲では粒子径が小さいほど流動化直後の接触頻度は大きいが、流動速度の増加によって急速に減少することがわかった。これは、粒子径が小さいほど流動化以降の流動速度の増加に伴う空隙率の増加が著しいためである。これに対し接触時間は粒径・流動速度にほとんど左右されないことが示された。このことから粒子と伝熱面の接触時間は層内の粒子の流動状態に依存するといえる。 2.粒子の接触状況の観察結果を用いて伝熱面から粒子への熱移動量を数値的に求め、伝熱促進に対する粒子への非定常熱伝導の寄与を推定した。その結果、伝熱促進に対する流動粒子への熱伝導の寄与は粒子・伝熱面の接触頻度の大きい流動化直後には極めて大きいが、流動速度が増大するにつれて小さくなることが示された。この傾向は粒子径が小さいほど顕著である。 3.上記の結果を確認するために、熱伝達と物質伝達のアナロジを利用して、流動層の伝熱促進のうち粒子への非定常熱伝導によるもの以外の寄与を直接測定した。その結果は粒子の接触状況を観察して得た結果から計算されるものと定性的に良く一致し、上記の接触状況の観察から得た知見が妥当であることが確かめられた。
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