1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63460111
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
岡田 隆夫 京都大学, 工学部, 教授 (10025877)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
片木 威 神戸商船大学, 商船学部, 助教授 (20152671)
松木 純也 京都大学, 工学部, 講師 (90089110)
仁田 旦三 京都大学, 工学部, 助教授 (40026266)
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Keywords | 同期発電機 / 制動巻線 / 電力系統 / 三相短絡故障 |
Research Abstract |
同期発電機の制動巻線は発電機の高調波抑制、乱調防止などのために取り付けられているが、その効果については未だ定量的に十分明かでない。この主な原因は、制動巻線電流の実測が困難であると共に、制動巻線定数の取り扱が不明確であり、制動巻線電流の精度高い計算が出来ない点にある。そのための電力系統の故障時における制動巻線の効果については充分解明されていない。 そこで、三相短絡故障時における制動巻線の効果を把握するための実験を行った。制動巻線の片側短絡環が着脱可能な同期発電機(定格容量6kVA)を用いて、一機無限大母線系統の構成し、三相短絡故障実験を行い、その実験での「制動巻線有り、無し」の両方の諸量を検討した。両者の電圧、電流、電力、速度、相差角、空隙磁速分布、制動巻線間磁束の変化を比較し、それらから電力一相差角曲線および制動トルク係数を求め、制動巻線の効果を明らかにした。そしてこの実験結果を電気学会回転機研究会資料No.RMー89ー1にまとめた。さらに、新しい回転子新製の基礎資料を得るために、上記の実験で危惧された「制動巻線無し」における絶縁の問題と「制動巻線有り」における接触抵抗の問題を明らかにするための実験を行った。発電機を分解し、従来の「制動巻線有り」「制動巻線無し」と制動巻線と短絡環の接続部をはんだ付けした「制動巻線有りはんだ」および両側短絡環をはずした「制動巻線無し両側」の状態を構成し、それぞれの機器定数を静止法、単相短絡試験、三相突発試験から求め比較を行った。その結果、「制動巻線無し」と「制動巻線無し両側」および「制動巻線有り」と「制動巻線有りはんだ」は同様の値を示し、危惧された絶縁および接触抵抗には問題がないことが明らかになった。そしてこの結果をまとめ、平成元年度電気学会全国大会に報告する予定である。
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