1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63460113
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
上野 照剛 九州大学, 工学部, 教授 (00037988)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水上 茂樹 九州大学, 医学部, 教授 (90037325)
塩川 光一郎 東京大学, 理学部, 教授 (20037295)
松尾 拓 九州大学, 工学部, 教授 (30037725)
竹尾 正勝 九州大学, 工学部, 教授 (70037951)
原田 耕介 九州大学, 工学部, 教授 (90037705)
|
Keywords | 磁場効果 / 磁気カ-テン / 生体磁気 / 磁場配向 / 燃焼反応 / 磁気刺激 / 脳神経刺激 / 脊髄根刺激 |
Research Abstract |
生体と化学反応に及ぼす磁場効果について以下のような研究を行った。 (1)<燃焼とガス流に及ぼす磁場効果>___ー 燃焼とガス流が勾配磁場によって顕著な影響を受けることを見出し、この現象が磁場と常磁性酸素との間の作用によって大気中に障壁が形成されることによって生じることを明らかにし、この障壁を磁気カ-テンと呼ぶことにした。磁気カ-テンの複雑なメカニズムを解明するため、気体分子運動論に基づいたシミュレ-ションをおこなった。その結果、勾配磁場により常磁性酸素分子が力を受けることにより、反磁性である窒素や二酸化炭素等の運動に影響を与えることを明らかにした。また、この磁場効果の応用として、大気中の微小粉麈の高勾配によるろ過と酸素封入ヒ-トパイプ内の熱流の磁気制御を可能にした。 (2)<生体に対する強磁場の安全性>___ー アフリカツメガエルの初期発生過程に最高6.34Tの磁場を印加し、特に細胞分裂の盛んな卵割期を中心に磁場による孵化率の変化や催奇形性の有無を調べた。核酸合成や膜形成に対する可能性のある磁場効果として核酸合成関連の酵素活性への影響が膜の磁場配向の可能性を考慮して観察した。6.34Tの磁場のもとで胚の発生過程に特筆すべき変化は認められなかった。 (3)<パルス磁場による神経刺激>___ー (1)標的をはさんで互いに逆方向の逆直パルス磁場を用いてヒト大脳皮質運動野を局所的に刺激する方法を考案し、5mm以内の分解能で皮質運動野の刺激が可能であることを明らかにした。また、刺激電流の流れる方向により皮質運動野の機能分布図が大きく変化することを確認した。さらに、神経興奮に必要な刺激電流の方向は脳の機能的かつ構造的な組織を反映するものとして、刺激電流密度勾配の変化が及ぼす神経興奮の変化を説明するモデルを提案した。 (2)逆直パルス磁場対により脊髄神経根を局所的に磁気刺激することによりH反射を誘発し末梢神経系の機能診断を行う方法を開発した。この方法を用いてH波及びM波を誘発する刺激部位の空間分布図を作成した。また、H波、M波ともに刺激電流の強度変化に伴い刺激電流の方向に対して異なる反応パタ-ンを示すことを明らかにした。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] S.Uene: "Embryonic development of Xenopus laevis under static magnetic fields up to 6.34 T" Journal of Applied Physics. 67. 5841-5843 (1990)
-
[Publications] S.Uene: "Localized stimulation of the human brain and spinal cord by a pair of opposing pulsed magnetic fields" Journal of Applied Physics. 67. 5838-5840 (1990)
-
[Publications] S.Uene: "Magnetic separation of fine particle dusts using a superconducting magnet and wire meshes" Journal of Applied Physics. 67. 5904-5906 (1990)
-
[Publications] S.Uene: "Properties of magnetic curtain produced by magnetic fields" Journal of Applied Physics. 67. 5901-5903 (1990)
-
[Publications] S.Uene: "Functional mapping of the human motor cortex obtained by focal and vectorial magnetic stimulation of the brain" IEEE Transactions on Magnetics. 26. 1539-1544 (1990)
-
[Publications] S.Uene: "Spinal reflex evoked by a pair of oppsing pulsed magnetic fields" Journal of Applied Physics. 68. (1991)