1988 Fiscal Year Annual Research Report
半導体キャリアの分布定数効果を利用した新しいマイクロ波モノリシック集積回路の製作
Project/Area Number |
63460115
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
長谷川 秀機 北海道大学, 工学部, 教授 (60001781)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飯塚 浩一 北海道大学, 工学部, 助手 (30193147)
大野 英男 北海道大学, 工学部, 助教授 (00152215)
深井 一郎 北海道大学, 工学部, 教授 (70001740)
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Keywords | MMIC / 半導体キャリア / 電磁波伝搬 / 遅延 / 漏波 / 化合物半導体 / 固体進行波相互作用 / クロスタイコプレーナ線路 |
Research Abstract |
1.半導体キャリアが配線の信号伝搬特性へ与える影響(1)半導体キャリアは伝搬する電磁波(信号)の接地導体への電気力線をしゃへいし、電気エネルギと磁気エネルギを空間的に分離して蓄積することにより生ずる遅波モードと呼ばれる電磁波の伝搬モードが存在することが明かとなった。ディジタルICにおける信号の伝搬特性において、半導体キャリアの影響により立上がり時間および遅延時間が増加することが判明した。また多導体系マイクロストリップ線路の漏話の解析も行った。(2)半導体キャリアが信号の伝搬にもたらす遅波作用によって生じる電磁波の位相おくれを利用してMMICを小型化できることが明かとなった。しかし、半導体キャリアによる遅波作用は信号の減衰が大きい。このため電気エネルギと磁気エネルギの空間的分離という遅波原理に基づくクロスタイコプレーナ遅波線路を考案・製作し評価を行った。この結果、伝搬損失が大幅に減少し本線路がMMICの小型化に非常に有効であることが明かとなった。また、配線にバイアス電圧を印加して生ずる空乏層の変化を利用して遅波作用を制御することで、信号線路に新機能を付加できる可能性があることを見いだした。 2.半導体キャリア・電磁波間の進行波相互作用の検討 半導体キャリアの電磁波に与える「能動的」な影響として両者の進行波相互作用について検討した。この固体進行波相互作用が効果的に行われるならば広帯域大電力のマイクロ波増幅が実現できる。ここでは、相互作用領域の半導体薄膜にInPエピタキシャル成長層を用いた交流結合インタディジタル型固体進行波素子を製作し、その固体進行波相互作用を確認した。さらに、進行波相互作用の効果を実効誘電率で記述した理論を用いて、測定された素子のコンダクタンスの固体進行波相互作用によるふるまいを定量的にシミュレートできた。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 飯塚浩一/長谷川英機/大野英男: 第49回(昭和63年秋季)応用物理学会学術講演会予稿集. (1988)
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[Publications] H.Hasegawa/K.Iizuka: Journal of Electromagnetic Waves and Applications. (1989)
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[Publications] K.Iizuka/H.Hasegawa/H.Ohno: IEEE Trans.on Microwave Theory and Techniques. (1989)