1989 Fiscal Year Annual Research Report
非線形ダイナミックスシステムのモデリングとパフォ-マンス解析に関する研究
Project/Area Number |
63460127
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
堀内 和夫 早稲田大学, 理工学部, 教授 (90063403)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山村 清隆 群馬大学, 工学部, 助教授 (30182603)
大石 進一 早稲田大学, 理工学部, 教授 (20139512)
松本 隆 早稲田大学, 理工学部, 教授 (80063767)
川瀬 武彦 早稲田大学, 理工学部, 教授 (60063690)
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Keywords | 非決定性作用素論 / 非線形システム / 新フェ-ルセ-フ原理 / 間欠性カオス / 電子回路のカオス / 無限次元ホモトピ-法 / 直方体分割 / 大域的数値解析技法 |
Research Abstract |
本年度は、3年計画の第2年度であり、前年度に確立された基本的な理論を発展させることを目標とした。以下、本年度に得られた成果についてまとめる。 1.前年度は非決定性用素論を用いて非線形システムの不確定的動揺の許容性に関する理論を展開したが、これを大きな変動に関する理論に発展させることに成功した。その結果、非線形システムの新しいフェ-ルセ-フ原理を確立した。 2.前年度に開発した一次元写像の分岐理論を適用して、送風機系の分岐現象の類別を行った。その結果、取り扱った送風機系には、3つのタイプの間欠性カオスが存在することを確認した。また、柔軟多体動力学系の効果的モデリング手法を開発すると共に、高速な数値積分アルゴリズムを開発した 3.区分線形ロ-レンツアトラクタを単純な電子回路から観測した。そして、これが、シルニコフが示した馬蹄力学系の内包条件を満たすという意味でカオス的であることを数学的に厳密に証明した。また、カスプ型拘束条件をもつ電子回路の分岐についても詳しい検討を行った。 4.前年度は無限次元ホモトピ-法を開発し、無限次元非線形システムの大域的な数値解析技法を発展させた。今年度は、これを用いて無限次元システムの写像度理論を展開し、分岐現象の新しい数値解析技法を確立した。また、無限次元ホモトピ-法による凸計画問題の大域的解析手法を開発した。 5.非線形方程式を直方体分割近似する新しい手法を開発した。また、ホモトピ-法のアイデアを融合させることにより、局所的には2次収束性をもつ非線形抵抗回路の大域的な求解アルゴリズムを開発し、この手法が他にも広い適用性のあることを2,3の例により示した。
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[Publications] 堀内和夫: "非線形問題の魅力" 電子情報通信学会技術研究報告. CAS89ー119 NLP89ー63. 71-76 (1989)
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[Publications] K.Horiuchi: "Mathematical Foundation of the FailーSafe Principle in Wide Sense" The Transactions of the IEICE. E72. 479-484 (1989)
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[Publications] H.Yoshimura: "Modelling of Flexible Multibody Dynamics and a Computer Oriented Method Via Bond Graph Method" Proc.,12th CANCAM. 2. 866-867 (1989)
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[Publications] 松本 隆: "Homoclinic Linkages:Double Scroll 回路" 電子情報通信学会技術研究報告. NLP88. 9-16 (1989)
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[Publications] 松本 隆: "Homoclicic Linkages:New Bifurcation Mechanism" Proc.ISCAS. 2. 826-829 (1989)
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[Publications] 松本 隆: "Homoclinic Linkages in the Double Scroll Circuit and the CuspーConstrained Circuit" World Scientific Advanced Series in Dynamical Systems. 7. 192-209 (1989)
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[Publications] 柏木雅英: "非線形方程式の大域的解法の収束性の補完について" 電子情報通信学会技術研究報告. CAS89ー125. 39-46 (1989)
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[Publications] 福山健次郎: "変数分離が不可能な非線形方程式に対する直方体法の適用" 電子情報通信学会論文誌. 172ーA. 625-627 (1989)
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[Publications] 山村清隆: "Quadratic convergence of the homotopy method using a rectangular subdivision" 電子情報通信学会論文誌. E72. 188-193 (1989)
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[Publications] 山村清隆: "The use of extrapolation for the problem of computing bifurcation values of periodic responses" IEEE Transactions on Circuits and Systems. 36. 628-631 (1989)
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[Publications] 山村清隆: "Solving nonlinear resistive networks by a homotopy method using a rectangular subdivision" 電子情報通信学会論文誌. E72. 584-594 (1989)
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[Publications] 山村清隆: "A piecewiseーlinear homotopy method with the use of the Newton homotopy and a polyhedral subdivision" 電子情報通信学会論文誌. E73. 140-148 (1990)
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[Publications] 松本 隆: "Bifurcation Analysis of A CupeーConstrained Circuit" Int,J.CTA. 17. 283-346 (1989)
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[Publications] 松本 隆: "Homoclinic分岐における階層構造" 電子情報通信学会技術研究報告. CAS89. 59-64 (1989)
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[Publications] M.Makino: "A Homotopy Method for Numerically Solving Infinite Dimensional Convex Optimization Problems" Trans.IEICE. E72,No.12. 1307-1316 (1989)
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[Publications] 大石進一: "物理現象をシミュレ-トするセルラコンピュ-タシステム" 電子情報通信学会技術研究報告. CPSY89ー11. 37-41 (1989)
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[Publications] 林達雄: "Aーregular作用素論を用いた無限次元ホモトピ-法について" 電子情報通信学会技術研究報告. CAS89ー53. 23-30 (1989)
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[Publications] 大谷津裕: "無限次元ホモトピ-法による多値作用素方程式の求解アルゴリズム" 電子情報通信学会技術研究報告. CAS89ー90. 133-140 (1989)