1988 Fiscal Year Annual Research Report
インパルス型神経回路モデルによる脳の高速演算原理の解明
Project/Area Number |
63460143
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
市川 惇信 東京工業大学, 総理工, 教授 (60016714)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒木 秀一 九州工業大学, 工学部, 助手 (40178124)
中村 清彦 東京工業大学, 総理工, 助手 (10172397)
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Keywords | 神経回路網 / 並列処理 / 神経細胞集団 / 行動学習 / シナプス可塑性 |
Research Abstract |
脳神経系の基本素子モデルの構成について、(1)同種のインパルス型神経細胞素子からなる神経細胞集団モデルを構成して、細胞集団への入出力をそれぞれ入出力線維のうちの興奮しているものの割合としたときのステップ入力に対する過渡応答および定常応答を解析し、神経細胞集団が入力強度に応じたミリ秒オーダの遅れを生じる遅れ素子とみなせることを明らかにした。(2)1項の結果を基に、多数の入力のうちで最大入力を入力数に依存せずにミリ秒オーダの反応時間で検出する神経集団回路モデルを構成し、その挙動をシミュレーションで確認した。(3)2項の神経集団回路のノイズに対する頑健性を検証するために、脳神経系で広く観測される自発発火の、神経集団素子の応答遅れ時間に与える影響を解析し、入出力線維の興奮しているものの割合を入出力変数とする神経細胞集団が非定常なノイズに対して優れた頑健性をもつことを示した。 脳神経系の行動学習機能について、(4)行動学習機能に必須な2つの基本機能:多様な試行の生成と試行から報酬行動の抽出、に関与する脳部位についての生理学解剖学知見の調査整理を行ない、これらの機能を実現する脳機構を検討した。(5)4項の調査から行動学習に必要な2種の記憶:短期記憶と長期記憶、を実現する神経細胞の機構としてPost-Tetanic Potentiationとノルエピネフリン依存可塑性を仮定し、これらの機構の神経細胞集団素子のための数理モデルを構成した。(6)5項で構成した可塑性モデルの解析およびシミュレーションを行ない、行動学習が実現されるためにこれらの機構が満たすべき必要条件を求めた。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 中村清彦: 第3回計測自動制御学会生体・生理工学シンポジュウム予稿集. 115-118 (1988)
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[Publications] 郭昂: 第3回計測自動制御学会生体・生理工学シンポジュウム予稿集. 111-114 (1988)
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[Publications] Shuichi,Kurogi: IEEE Inter. Conf. on Neural Networks. 2. 205-214 (1988)
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[Publications] 黒木秀一: RC-84プラントエンジニアリングにおける知識工学の応用研究部会資料. (1989)