1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63460147
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
高木 幹雄 広島大学, 工学部, 教授 (00038556)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土井 康明 広島大学, 工学部, 助教授 (10134454)
肥後 靖 広島大学, 工学部, 助教授 (20156582)
|
Keywords | 没水水平板 / 戻り流れ砕波 / 海洋環境保全 / 長波長域の消波 / 波浪制御 / 最適没水平板形状 |
Research Abstract |
海洋環境を破壊することなく波浪を制御することを目的として、単純な構造でしかも水平方向に働く波力の小さな形状の没水平板を採用した。水槽実験により、まず固定没水平板の消波特性を明らかにした。本研究で得られた成果は次の通りである。 1.没水平板の消波特性を明らかにして、"戻り流れ砕波"という新しい消波機構を見出した。 (1)没水平板の消波効果に対する没水深度ならびに没水平板長の影響を明らかにした。即ち、没水平板は長波長域の波に対して優れた消波効果を有し、長波長域の波を短波長域の波に変換することを実験的に明らかにした。 (2)没水深度が浅くなる程、消波効果は向上する。 (3)消波特性に関する全データを基にして、海洋環境状態に対応した最適没水平板形状を推定する実験式を求めた。 2.1の成果を活かして、消波効果の良い新しい型の消波構造物を開発した。 更に得られた成果を実海域に設置するために、浮体構造にした時の消波特性、運動特性および係留特性に関して研究を行い次の成果を得た。 1.消波特性の向上を計るためには、平板の運動を小さくすること。 2.平板の運動を減少させるには、余剰浮力の増大を計ると良い。 3.消波効果の良い係留方式は、平板の運動を小さくさせる交叉係留と垂直係留を併用した複合係留が有効である。 来年度は実海域に設置する場合を想定して、潮汐等の水深変化に対する設定没水深度の変更、また不規則波に対する消波効果を明確にし、更に数値シミュレーションの手法を取り入れた設計法を明らかにする。
|
-
[Publications] 高木幹雄: 第8回海洋工学シンポジウム. 259-266 (1988)
-
[Publications] 高木幹雄: Pacific Congress on Marine Science & Technology. OST87-94 (1988)
-
[Publications] 高木幹雄: '89日本沿岸域会議研究討論会. 1989.