1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63460150
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
倉西 茂 東北大学, 工学部, 教授 (70005221)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中沢 正利 東北大学, 工学部, 助手 (20198063)
岩熊 哲夫 東北大学, 工学部, 助教授 (60120812)
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Keywords | 非対称断面 / 薄肉開断面 / 有限要素法 / 立体解析 / 流れ則 / 全ひずみ理論 |
Research Abstract |
非対称薄肉開断面部材は、その接合の容易さなどの利点にもかかわらず、一次部材として広く用いられるには至っていないが、その理由の一つは、考えられる通常の載荷状態においてねじれを伴う変形を余儀なくされるからである。この研究ではまず、その様な三次元的挙動を伴う、はり柱部材の解析を、最も基本的な流れ則に基づく塑性理論に従がう材料モデルを用いた有限要素解析によって実施した。その結果、シェル要素などを用いて解析される、いわゆる板の集成材としての梁の挙動をその終局状態に至までかなり定量的に追跡することができた。しかし、境界条件によっては定性的な把握に留まった場合もあった。このことについては、今後の研究課題であろう。 またその解析の途中で、三次元的な棒の挙動を直線要素を用いた有限要素解析する場合の適切な境界条件の課し方、および有限な回転の取り扱い方についての新しい知見が得られた。これによって、断面変形が生じない様な断面部材については、一つの構成モデルのもとで、少なくとも定性的には挙動の把握が可能となり、また従来言われてきた立体構造解析の難点のひとつもある許容範囲の中で克服することが可能となった。 構成モデルとしてはさらに、全ひずみ理論に基づくものも考慮したが、その終局強度の予測はかなりの精度で可能であることが判ってきたものの、そこに至るまでの変形性状については、構成モデルの適用範囲の制約によって必ずしも良い結果が得られたとは言えなかった。しかし、後者のモデルの方が工学的には応用が容易であるため、今後の重要な研究課題になると考えられる。
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