1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63460150
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
倉西 茂 東北大学, 工学部, 教授 (70005221)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中沢 正利 東北大学, 工学部, 助手 (20198063)
岩熊 哲夫 東北大学, 工学部, 助教授 (60120812)
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Keywords | 薄肉構造 / 非対称断面 / 開断面部材 / 耐荷力 / 溝形断面部材 |
Research Abstract |
現在、橋梁をはじめとする一般的な土木構造においては、非対称断面部材は二次部材としてしか用いられない。しかし、二次部材の設計の合理化ばかりではなく、接合の有利さや設計の幅を広げる観点等から、チャンネル断面等の薄肉非対称開断面部材の力学的挙動を解明することは重要である。そこで、本研究ではまず形鋼を用いた柱および梁の耐荷力実験を行なうと同時に、有限変位弾塑性数値解析による予測との比較を行なった。その結果、柱の場合は断面の図心に載荷を行なう限りは通常のI形対称断面部材と同様の耐荷力が期待されるが、ウェブを直接接合した場合のような偏心載荷の場合には、I形断面部材の半分程度の強度しか期待できないことが明らかになった。また曲げ実験においては、両端あるいは同時に載荷点でもねじれやそりを拘束することによって、対称断面とほぼ同様な力学的特性を持つことが明らかになった。したがって、境界条件および載荷位置での実際の荷重の伝達機構を十分に検討しモデル化して設計する必要があることが明らかになった。 以上の実験結果を基に薄肉構造の耐荷力解析を行なうが、実験的なアプロ-チは困難が伴うため、これについては別途開発した数値解析法による耐荷力算定を、プレ-トガ-ダ-断面に対する数値シミュレ-ションとして行なった。その結果、チャンネル材をプレ-トガ-ダ-主桁に用いる場合、やはり端部にそり拘束を与えることにより強度的に非常に有利であることが分かった。また実際の構造物を想定し、荷重載荷的でねじれ変位を拘束した場合には、現在用いられている対称断面部材による構造物に対して用いたとしても、充分な耐荷力があることが明らかになり、非対称開断面部材を対称断面部材と同様に主要部材として用いることが十分可能であることが明らかになった。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Maalla,Khaled: "A simplified spatial ultimate load analysis of members with open cross section" 土木学会論文集. 416. 101-109 (1989)
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[Publications] Maalla,Khaled: "Geometric stiffness matrix to analyze the lateralーtorsional bucking of curved members" 土木学会論文集. 416. 59-65 (1990)