1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63460162
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
中川 博次 京都大学, 工学部, 教授 (60027216)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中野 晋 徳島大学, 工学部, 講師 (50198157)
村上 正吾 京都大学, 工学部, 助手 (70166247)
ナイスリィ C.W. 京都大学, 工学部, 講師 (40197629)
禰津 家久 京都大学, 工学部, 助教授 (30109029)
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Keywords | 波・流れ共存場 / 非定常流 / 非平衡流砂過程 / ピックアップレイト / ステップレンプス / 流砂の確率モデル |
Research Abstract |
本年度の研究によって得られた成果は次の通りである。 1.空間的な境界条件が非一様で、流れが非定常である場合、従来無視されがちであった砂粒子速度と流速との差が重要でしることを指摘し、これにより流れと流砂の間には空間的・時間的な遅れが存在することを示した。この位相差を規定する流れ・非定常性のパラメ-タを線型解析によって明らかにするとともに、非線型性を考慮した数値計算によって、その位相差が増幅される可能性があることも示した。 2.砂粒子の移動速度を考慮した流砂の確率モデルを展開し、非平衡流砂モデルの一般化を図った。特に、その構成要素であるpick-up rate,移動速度及びstep lengthに関しては、砂粒運動を支配する運動方程式に確率論的で配慮をすることにより、それぞれの評価法を提案した。これらの予測式は室内水路実験によってその適用性が確認された。 3.振動流を伴う一方向流下における流れの構造と掃流砂運動に関する詳細な計測を行った。流れについては、こうした場での統計的特性としての平均値、乱れの定義として周波数領域法によるものが優れていることを明らかにした。掃流砂運動については、pick-up rate,step length及びmouing periodのデ-タが収集され、流れ特性とこれらの量との関係が定量的に評価された。2.で述べたモデルとこれらの定量的評価の間には、良好な一致が認められた。 4.乱流構造の変化に伴う初期移動機構の変化を検討することにより、流砂そして漂砂にわたる砂粒子の初期移動は、いわゆるpick-up rateの概念によって統一的に表示できることを示した。
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Research Products
(2 results)