1989 Fiscal Year Annual Research Report
地表水利用の雪処理技術の開発研究と除雪システムの運用に関する研究
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63460166
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
大熊 孝 新潟大学, 工学部, 教授 (40018908)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大川 秀雄 新潟大学, 工学部, 助教授 (50018826)
鈴木 哲 新潟大学, 工学部, 教授 (30018907)
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Keywords | 流雪溝 / 消融雪溝 / 除雪 / 豪雪地帯 / 地表水 / 水温 / 除雪システム |
Research Abstract |
1.河川水温の変化の測定 昭和63年12月から平成元年11月までの信濃川水系魚野川・前島橋地点の水温を気温や地下水温と比較検討し、水温が気温に強く影響を受けていることが解り、前日気温などから日々の水温を予測することが可能となった。また、今年度も信濃川水系計9地点に自記水温計を設置し、水温の変化を測定した。今後は、2年分の測定結果を解析し、それから昭和56年や59年の豪雪時の水温を予測する方法を確立し、豪雪時において利用可能な地表水の熱的エネルギ-量を推定する。 2.流雪溝・消融雪溝の流雪・融雪能力の改善 流雪溝については、昨年度と同様に新雪や除雪機械で粉砕された粉状の雪に対する流雪能力を考察した。実験で用いた雪は新雪で密度は昨年より小さかったが、昨年得られた結果と大局的には一致した。即ち、流雪能力は流雪溝の勾配に余り影響を受けないことが再確認された。また、勾配が1/1000を下回る場合には流雪能力が極端に低下することが解った。 消融雪溝については、魚野川支川刑部沢川で15トンの雪量を対象に昨年度とは堰構造を変えて実験を行ったが、より効率的に融雪できることが明らかとなった。 3.除雪システムの運用に関する研究 新潟県十日町市の除雪システムについて詳しく調査し、行政と地域住民とが協力して除雪するシステムに現在6通りあることが解った。道路の公的性格が強い幹線市道などの場合は、行政が主となり、住民がそれを支える形で協力し、私的性格が強い細かい私道などは住民組織が主となり、行政が補助する形で行われ、それが地域のコミュニティづくりに役立っていることが解った。行政と住民組織との協力システムは多種多様な形態・内容が可能であり、大きな機能を発揮することが解った。
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[Publications] 大熊孝: "流雪溝と消融雪溝の標準的計画・設計法に関する基礎的考察" 日本雪氷学会誌雪氷. 51巻4号. 239-251 (1989)
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[Publications] 大熊孝: "小河川を利用した融雪技術の基礎研究" 土木学会第45回全国大会(平成2年9月〜10月開催予定).
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[Publications] 鈴木哲: "新雪国物語-雪はじゃまものか-" ポプラ社, 191 (1988)