1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63460177
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
寺井 俊夫 京都大学, 工学部, 教授 (50025863)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原田 和典 京都大学, 工学部, 助手 (90198911)
吉田 治典 京都大学, 工学部, 助手 (00144337)
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Keywords | 地下街 / 流れの多様性 / 防災のための設計法 / 模型実験 / 室の火災モデル / フラッシュオ-バ- / 振動解 / 分岐 |
Research Abstract |
地下街では、多数の避難階段で地上と連絡しているが、地下からの上昇煙と避難方向を計算し、避難路の安全を確かめる必要がある。このため、換気回路網と、室の熱収支を考え、ル-プ流量を変数として解き、初期流量の大きさと向き、初期温度の与え方により、避難階段で空気が流入する場合と外部へ煙が流出する場合等、流れの多様性を確かめた。機械換気・給気により流れのパタ-ンを一意に決める防災のための設計法を示した。 また、模型実験により室火災の燃焼性状を調べた。30cm角の室模型の中心に半径10cmのメタノ-ルのプ-ル火源を設置し、室の開口の大きさを変えながら、火災温度、燃焼速度、炭酸ガス発生速度、一酸化炭素発生速度を測定した。まず、縦長開口で幅を次第に小さくしたところ、開口幅が幅2cm以下になると、開口より火災が噴出することを確認した。次に開口幅を4cmに固定し、高さを次第に小さくしたところ、高さ6cm以下では、煙層からのふく射のみで燃料の蒸発が維持され、火炎が燃料から離れた位置で振動した。 これらの現象を予測するため、室の火災モデルとして燃焼プル-ムゾ-ン、室上部煙層ゾ-ンの2ゾ-ンモデルを考え、各ゾ-ンに対する温度、酸素濃度、燃料濃度収支に関する微分方程式をたてた。燃料の熱分解、燃焼反応は共にアレニウス型の反応を仮定した。室のフラッシュオ-バ-は、上式中に現れるパラメ-タ-の変化による定常時の多重解のうち、不安定な解から安定な解への移行と考えて、多重解とその分岐を検討した。パラメ-タ-として室の開口寸法、燃焼面積、燃料の種類を変化させ、解曲線がS字型になり、フラッシュオ-バ-になること、Hops分岐を生じ振動解を生ずることを認めた。パラメ-タ-を実験値と一致させ、実験結果を予測するための検討を行った。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 越智 康文、寺井 俊夫: "単室火災のモデル化と設計条件の変化に伴う平衡解の計算" 日本建築学会近畿支部研究報告集〈計画系〉. 31. (1991)
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[Publications] 越智 康文、寺井 俊夫: "単室火災のモデル化と設計条件の変化に伴う平衡解の計算" 日本火災学会平成3年度研究発表会概要集. (1991)
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[Publications] 柴田 浩也、寺井 俊夫、原田 和典: "室火災性状に影響を及ぼす各種要因の模型実験による検討" 日本火災学会平成3年度研究発表会概要集. (1991)