1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63460181
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
谷村 秀彦 筑波大学, 社会工学系, 教授 (40111356)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
富江 伸治 筑波大学, 芸術学系, 助教授 (10015985)
栗原 嘉一郎 筑波大学, 芸術学系, 教授 (70015957)
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Keywords | 医療施設計画 / 時系列変化 / 施設選択行動 / 入院患者 / 地域医療計画 / 広島県 |
Research Abstract |
地域医療施設計画の基本的な条件となる住民の医療施設選択行動は、施設の整備水準の変化や地域人口の高齢化などの要因により時系列的に変動している。そこで本研究は昭和48年と昭和59年の2時点において全県レベルの詳細な患者調査が実施された広島県を事例として、医療需要の変動および施設選択行動の変化を数量的に把握し、これら時系列的な、昭和63年度においては需要の変動を、特に老人の在院率に着目して回帰モデルで分析した。平成元年度は入院患者の受療圏の変化を中心に以下の研究を実施した。 1.2時点の患者調査磁気テ-プより市町村別・年齢病類別の入院医療受療圏の変化を把握した。各年齢階層では老人、成人、小児の順で、各病棟グル-プ別ではICD1、ICD2、ICD3の順で2時点ともに圏域が階層的に広くなることが確認された。また年齢階層別の患者の利用施設までの平均移動距離は老人が7.71kmから7.53kmに成人が11.0kmから9.17kmに小児が18.44kmから15.92kmへとこの10年で小さくなる傾向にあり、病類別でもICD1が7.05kmが6.75kmへ、ICD2では10.63kmが8.81kmへ、ICD3では19.15kmが18.61kmへと減少している。しかしながら59年時には備北地方の圏域が広島市に吸収され一極型の大圏域となった。一方福山市を中心とする県西部では昭和48年時と同様の階層型構造が観察された。 2.昨年度の結果とあわせて、以上の結果から地域医療計画を行なうさいに考慮すべき点として、老人保健施設や老人病院などの設置による病床の有効利用や、老齢患者にたいする家庭介護への援助など考慮すべき点であろう。
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Research Products
(1 results)