1988 Fiscal Year Annual Research Report
ジェットパーフォレーターを用いた地熱生産井・還元井の能力回復法の開発
Project/Area Number |
63460188
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
湯原 浩三 九州大学, 工学部, 教授 (30091333)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
茂木 透 九州大学, 工学部, 助手 (80182161)
江原 幸雄 九州大学, 工学部, 助教授 (10002346)
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Keywords | 地熱坑井 / 還元井 / スケール / 還元容量 / 還元指数 / ジェットパーフォレーター / 坑井内発破 |
Research Abstract |
地熱坑井では、生産井・還元井を問わず、坑井内にスケール(沈澱物)が付着し、内径を狭め、坑井内への各種センサーの降下の障害となり、さらに、生産量や還元量の減衰の一因ともなっている。また、スケールは坑井の外側にも沈積し、還元能力低下の主因しなっているので、このような還元層の目詰まりの防止及び除去に関する技術の発達が望まれている。スケールの付着の防止又は除去のための従来の技術としては、抑制剤の添加、PH調整、機械的な削り落し、水圧破壊、枝堀り等があるが、これらの方法は技術的にも経済的にも一長一短で、現実的に満足できるものではない。そこで本研究では、爆薬のノイマン効果を利用して、簡便に安価に坑井内のスケールや目詰まりを生じた地下の割れ目を開削する方法を開発し、地熱坑井の寿命を延ばすことを目的とした。 還元井目詰まり除去用ジェットパーフォレーターは、ジェットチャージを30個波形キヤリヤーに装着し、その背面に導爆魔添わせ、これを電気電管で起爆させた。さらに、全体が坑井内に滑らかに降下し、かつ発破後の残骸を回収するに便利なように塩化ビニール製の筒形カプセルを使用した。ジェットチャージの穿孔能力は、最良の条件下で、10mmの鋼板を貫いた後、硬化セメント内に20〜30cmの孔を開けることができるといわれているが、実際の坑井内では、種々の理由のために、能力の低下は否定できないが、坑井の令側のセメントや岩盤内に少くとも数cmから10cm程度の穿孔が可能であると思われる。 ジェットパーフォレーターの発破後、還元能力が回復したか否かを調べるために還元容量テストが行われた。還元能力を表わす還元指数は発破試験前の0.81m^3/h/kg/cm^2から発破後は2.28m^3/h/kg/cm^2に増加した。すなわち、還元能力は約3倍増大したといえる。
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