1988 Fiscal Year Annual Research Report
金属・セラミックス微粒子および焼結体の変態と機能性
Project/Area Number |
63460194
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Research Institution | Konan University |
Principal Investigator |
中西 典彦 甲南大学, 理学部, 教授 (80068064)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
重松 利彦 甲南大学, 理学部, 助教授 (80109058)
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Keywords | 粉末治金 / 焼結 / 形状記憶 / 超弾性 / 等温マルテンサイト変態 / 薄膜 / アモルファス / 高温Tc酸化物超伝導体 |
Research Abstract |
1)粉末治金法(P/M)により作製されたCu-Zn-AlおよびCu-Al-Mn形状記憶合金の機能性 Cn-Zu-Al合金のP/M法による製造を詳細に検討し、母合金法(Cu-Zn、Cu-Al、電解Cu粉末の混合)によりAlF_3を焼結促進剤として添加し、微細結晶粒(20〜100μm)合金を作製した。これの形状記憶挙動を調べた結果、10%に及ぶ引っ張り歪みの回復を示す超弾性ループを得ることに成功した。また現在は強磁性形状記憶合金Cu-Al-MnのP/M法による作製と機能特性の開発研究を行っている。 2)ジルコニア・セラミックス(ZrO_2-Y_2O_3)の等温マルテンサイト変態と微小クラックの成長機構 ZrO_2-Y_2O_3焼結体の低温領域(423〜573K)での時効中に等温的に正方晶→単斜晶マルテンサイト変態が進展し、これが微小クラックの原因となることを明らかにした。さらに等温変態はO^<2->イオンの拡散と連携していること、また雰囲気中のH_2Oの存在がセラミックスの表面反応を起こさせ、変態の引金となることを示唆した。 3)ZrO_2-Y_2O_3スパッタ薄膜の合成とマルテンサイト変態 上記の微粒子や焼結体のマルテンサイト変態と、スパッタ薄膜における変態挙動を比較するために本実験を行った。スパッタ直後のアモルファス状態から1173〜1373K温度領域での等温保持中に結晶化が起こりさらに長時間の継続保持で正方晶→単斜晶へとマルテンサイト変態が進行した。また基板の拘束から解放された(1573K-36ks保持)薄膜では、微粒子や焼結体と同様に比較的低温の573K付近を中心に変態が進行しTTTダイヤグラムではC型曲線を描いた。さらにFe_2O_3を添加すると、単斜晶生成量は増加し、相対的にC-曲線は短時間側へ移った。 4)その他高温Tc酸化物超伝導体の表面構造の研究も続行中である。
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[Publications] 稲葉恒太、永井省三、岩津修、中西典彦、重松利彦: 粉体および粉末治金. 36. (1989)
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[Publications] 中西典彦、重松利彦、稲葉恒太、永井省三、岩津修: 粉体および粉末治金. 36. (1989)
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[Publications] 重松利彦、成田雅貴、中西典彦: 粉体および粉末治金. 35. 205-207 (1988)
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[Publications] T.Shigematsu,Y.Nakao N.Nakanishi.: Proc.Intern Meeting on Adv.Mats.,(MRS). (1989)
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[Publications] T.Shigematsu,M.Ishikawa,N.Nakanishi: Mem.Konan Univ.,Sci.Ser.35. 209-216 (1988)
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[Publications] 重松利彦、中西典彦: 粉体および粉末治金. 35. 875-878 (1988)
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[Publications] 中西典彦、坂東尚周、小菅皓二、曽我直弘、平野眞一、金丸文一: "無機ファイン材料の化学" 三共出版(KK), 1988