1990 Fiscal Year Annual Research Report
超塑性を利用した合金粉末の圧力焼結における緻密化過程の動力学的研究
Project/Area Number |
63460198
|
Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
時実 正治 立命館大学, 理工学部, 教授 (50066528)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飴山 惠 立命館大学, 理工学部, 助手 (10184243)
|
Keywords | TiNi / ホットプレス / 予ひずみ / 緻密化 / 形状記憶 / PREP粉末 |
Research Abstract |
本年度は、形状記憶合金であるTiNiのプラズマ回転電極法(PREP法)による粉末を用いて、緻密化挙動と得られた焼結体の形状記憶特性について検討した。研究代表者らの前年度までの研究により、粉末の組織が微細等軸粒であれば、緻密化が促進されることが明かとなった。そこで、TiNi合金粉がPREP法で製造し(PREP粉末とする)、さらにボ-ルミルを用いて予ひずみを導入し(BM粉末)、両粉末の真空ホットプレスにおける緻密化挙動を比較した。700ー900℃、25ー100Mpa、10.8ksの条件下において、BM粉末はPREP粉末と比較して、粉末組織の微細化のため、圧力焼結時の粉末の変形抵抗が低下し、結果として緻密化が促進された。すなわた、圧力焼結前の粉末の加工により、より低温、低圧で高密度の焼結体が得られた。800℃、100MPa、10.8Ksの真空ホットプレスにおいて、PREP粉末を用いた場合に99.2%の相対密度であるのに対し、BM粉末を用いると、99.8%の相対密度の焼結体が得られた。 次に、本研究で製造した焼結体の形状記憶特性について検討した。同一組成のバルク材(粉末の製造に使用した消耗電極)と比較して、PREP粉末とその焼結体は、より狭い温度範囲でγとマルテンサイトの間の変態が生じた。したがって、現在使用されている溶製材のTiNiよりも、シャ-プな形状記憶特性を示すと予想される。また、形状回復力についても検討したところ、バルク材に対して、PREP粉末焼結体は2.3倍、BM粉末焼結体は2.8倍の値を示した。この結果は、現在一般に使用されている溶製材と比較して、粉末冶金法を適用することによる、組織の微細化によってもたらされたと考えられる。この効果はBM粉末の場合により顕著となったのであろう。
|
-
[Publications] M.Tokizane,K.Isonishi,M.Hashii,,K.Ameyama: "The effects of Microstructure of Gasーatomized Znー22%Al Alloy powder on Densification Process During Hot Pressing" Modern Developments in Powder Metallurgy. 20. 675-680 (1988)
-
[Publications] 磯西 和夫,橋井 光弥,時実 正治: "Znー22%Al合金粉末のホットプレスにおける緻密化機構図" 鉄と鋼. 77. 4(NO4) (1991)
-
[Publications] 磯西 和夫,橋井 光弥,時実 正治: "Znー22%Al合金粉末を用いた超塑性ホットプレス" 材料とプロセス(日本鉄鋼協会構演論文集). 1. 1146-1149 (1988)
-
[Publications] 磯西 和夫,滝川 裕之,時実 正治: "低合金鋼粉末のホットプレス過程における組織変化と機械的性質" 日本塑性加工学会春期講演会予稿集. 685-686 (1990)
-
[Publications] 磯西 和夫,滝川 裕之,時実 正治: "低合金鋼粉末の緻密化挙動に及ぼすホットプレス法の影響" 日本塑性加工学会春期講演会予稿集. 687-690 (1990)