1988 Fiscal Year Annual Research Report
セラミックス-金属系多相材料の熱応力誘起変形と破壊に関する微視力学的研究
Project/Area Number |
63460200
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
若島 健司 東京工業大学, 精密工学研究所, 助教授 (70016799)
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Keywords | 複合材料 / 金属 / セミラックス / 熱応力 / マイクロメカニックス / 繊維強化 / ウィスカ / 熱ラチェット変形 |
Research Abstract |
酸化物、炭化物および窒化物系の各種セラミックス繊維(またはウィスカ)は強度や弾性率をはじめとする諸物性に関して通常のバルク材には見られない優れた特性を有するものが少なくない。しかそれら自体では構造材料として使用できないため、金属マトリックスとの複合化が注目され、多くの研究がなされている。このような異種素材の組合せによる多相材料ではいわゆる単味材料の場合とは異なる様々な材料学的問題があり、本研究で扱う熱応力誘起変形と破壊に関するものはその代表例といえる。この問題を処理するには多相材料のミクロ組織状態にまで立ち入った'微視力学(マイクロメカニックス)'の立場からの研究が不可欠と考え、微視的熱応力状態の解析をはじめとする一連の研究を行いつつある。以下にその進捗状況を箇条書きにて記す。 (1)分散相(繊維、粒子など)を楕円体介在物として扱うこれまでの微視的学的解析手法を発展させ、多相材料の熱伝導率を構成相の熱伝導率とミクロ組織に関する諸因子(分散相の形状・配向度・含有率など)を与えることによって理論的に推定する方法を考案した。一方、力学挙動の解析に関してはとくに熱ラチェット現象に着目し、短繊維系複合材料における繊維のアスペクト比や配向度の効果が解析できる数値計算プログラムを作成した。 (2)SiCウィスカ強化アルミニウム合金複合材を供試体として熱サイクルクリープ試験を行い、熱ラチェット現象およびその関連現象である内部応力超塑性について基礎的な検討を行った。 (3)短繊維系複合材料における繊維配向度を測定する方法としてステレオロジの理論(Buffon変換)に基づくコンピュータ画像解析法を開発した。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Kenji,Wakashima: Proc.of the 9th Intern. Sympos. on Metallurgy and Mater. Sci., Mechanical and Physical Behaviour of Metallic and Ceramic Copmosites, RISO National Lab.491-496 (1988)
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[Publications] Kenji,Wakashima: Proc. of the Korea-Japan Metals Symposium on Composite Materials, The Korean Inst. Metals. 102-115 (1988)
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[Publications] Tsutomu,Mori: Micromechanics and Inhomogeneity, The Toshio Mura Anniversary Volume, Springer-Verlag. (1989)
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[Publications] 若島健司: 第2回傾斜機能材料シンポジウム予稿集. 9-14 (1988)
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[Publications] 若島健司: 傾斜機能材料研究会会報. (1989)