1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63460201
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
田中 紘一 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (90143817)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古口 日出男 長岡技術科学大学, 工学部, 助手 (90143693)
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Keywords | 硬度 / セラミックス / 超微小硬度計 / 磁気記録媒体 / 薄膜 / 転位ループ |
Research Abstract |
本年度の研究は2項目に要約できる。 (1).硬度圧痕応力場の弾塑性モデルの構築及びその実験的確認 脆性材料に対するヴィッカース硬度につき、新しい弾塑性モデル-転位ループパンチングモデル-を構築した。本モデルによると硬度Hvと降伏応力Yの比は1.5〜2となり、延性的な金属の場合の値3より低くなること、また、Hvはヤング率Eとの比はほぼ一定値1/20となることを予測する。これらの予測はセラミックスの硬度に関する一般的な実験結果を裏付けている。さらに、本モデルでは荷重負荷時に対する徐荷時における圧痕表面の変位量変化(スプリングバック量)は非常に大きくなり、負荷時変位の30〜40%にも達することを予測する。2種類のセラミックスの圧痕のスプリングバック量を画像処理用SEMで測定した結果はその予測と非常に良く一致した。これらより本モデルは脆性材料の硬度モデルとして十分検証に耐えうるものと結論づけられる。 (2).超微小硬度計の試作とそれを用いた磁気媒体薄膜の硬度測定。 従来の微小硬度計よりも4桁低い1mgまでの荷重での硬度測定が可能な超微小硬度計を製作した。圧子駆動は圧電素子を用いて行ない、荷重は電子天秤で測定し、圧子の拘体侵入変位を光強度変位計で測定する。硬度は測定した荷重-変位曲線から得た塑性変位量により算出する。本硬度計より得られた荷重10mgまでの金属の硬度は従来のヴィッカース硬度計より得られた値と良く一致することを確かめた。本硬度計を用いて磁気記録用ハードディスクの保護カーボン膜の硬度を測定した結果、最小膜厚20nmまで測定可能であることが分った。その際得られた硬度値は膜厚500nmのものより得られた値と10%以内の誤差で一致した。
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[Publications] K.TANAKA;H.KOGUCHI;T.MURA: International Journal of Engineering Science. 27. 11-27 (1989)
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[Publications] K.TANAKA;H.KOGUCHI: "Micromechanics and Inhomogeneity-The Toshio Mura Anniversary Volume",edited by G.J.Weng et al.Springer-Verlay,New York. (1989)