1988 Fiscal Year Annual Research Report
遷移金属合金複合薄膜における固体反応の、高分解能分析電子顕微鏡による研究
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63460226
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
吉田 虔太郎 神戸大学, 工学部, 助教授 (60031085)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 隆 神戸大学, 工学部, 助手 (00112079)
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Keywords | 真空蒸着膜 / 同時蒸着膜 / 極薄二重膜 / 固体反応 / 長周期結晶格子 / 高分解能電子顕微鏡像 / 12回対称準結晶 / 円柱形アトミック・クラスター |
Research Abstract |
1.電子ビーム蒸発源(5kw0.5A)を基本とし、他にもう一組抵抗加熱方式の蒸発源を組み込む眞空蒸着装置を設計し組立中である。高融点遷移金属への適用を考えると、電子ビーム蒸発源は十分容量の大きいものが必要であり、強磁性金属の蒸発時には、ビームの逸脱を防ぐY軸スイープも必要である。このため電子ビーム蒸発源の費用が経費の大半を占めることとなった。到達真空度10^<ー7>Torrをもつ二元眞空蒸着装置を特注設計し、神戸大工学部の研究室へ移転設置した。現在眞空排気運転のテストをおこなっており、次年度初頭からビーム蒸発源用電源、試料加熱装置、その他を購入して組み込み、蒸着実験を実施する計画である。 2.従来の抵抗加熱方式二元蒸着装置を使い、Bi〜Mn極薄二重膜の接合界面に固体反応を起こさせる実験をおこなった。この低温加熱固体反応生成物には、格子定数17〓以上の新しい長周期正方結晶格子や、既知のものとは異る六方規則格子が含まれていることがわかった。現在電子線回折図形から、これら新合金格子の構造を決定し、それらの出現条件の確定と、その高分解能電子顕微鏡像の撮影をおこなっている。これらの結果は、国際学会や国際専問誌に発表した。 3.前項でのべた長周期正方晶の結晶領域には、12回対称を示すが併進操作に関する単位格子をもたない奇妙な回折図形を示す領域がある。その高分解能電顕像には、直径16〓の白いドーナツ型のコントラストが格子を組まないで乱雑に並んでいる。これは新しい準結晶の一つである可能性があり、その三次元逆格子を調べている。逆格子点の強度分布は、前記ドーナツ型のコントラストが、球状の原子集団ではなく22回対称軸を中心軸とした円柱形の原子集団であることを示唆している。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Kentaroh Yoshida: Proceedings of the IVth Asia-Pacific Conference and Workshop on Electron Microscopy,Bangkok 1988. 231-232 (1988)
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[Publications] Kentaroh Yoshida: Applied Surface Science. 33/34. 516-524 (1988)
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[Publications] Kentaroh Yoshida: Proceedings of JIMIS-5:Non-Equilibrium Solid Phases of Metals and Alloys,Supplement to Trans.JIM.29. 135-135 (1988)
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[Publications] 吉田虔太郎: 電子顕微鏡. 23. 174-177 (1988)
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[Publications] Kentaroh Yoshida: Acta Crystallographica. B45. (1989)
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[Publications] 山田隆: MEMOIRS OF THE FACULTY OF ENGINEERING,KOBE UNIVERSITY. (1989)