1988 Fiscal Year Annual Research Report
2原子結晶における各原子の温度因子を独立に測定する方法
Project/Area Number |
63460227
|
Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
宇野 良清 日本大学, 文理学部, 教授 (00058661)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大隅 一政 高エネルギー物理学研究所, 放射光実験施設, 助教授 (70011715)
|
Keywords | 放射光 / X線粉末回析 / 放射光位置追従装置 / X線異常分散 / 温度因子 |
Research Abstract |
放射光実験施設(PF)用高精度X線粉末回析計のモノクロメータへの放射光の入射角の変動を0.001度以内に止め、単色X線の波長の変動を0.0001〓以内に止めて、異常分散項の変動を小さくしなければ所期の目的を達し得ないので、まず上記回析計用のビーム追従装置の設計、試作を行なった。 追従装置の零ドリフトを最小にし、保守を容易にするため、X線ビームの検出にはX線テレビを用いる。放射光の位置を示す適当な強度のX線を得るため、モノクロメータの入射スリットの放射光側の傍に、放射光を散乱し蛍光X線を発生する散乱体を置き、ビームに直角をなす水平方向から、散乱体からのX線をX線テレビで受ける。そのX線強度を調べX線源の位置検出方法を見出すため基礎実験を行った。その結果は (1)散乱体の材質によりX線の強度が異なり、亜鉛のときが強度大である。 (2)X線の強度はあまり強くない。 (3)X線源の位置検出のため、長さ10cm、拡散角0.2度のソラースリットを用いると、線源位置の変動は解るが、ソラースリットの隔壁板の間隙にむらがあり、定量的な位置検出精度があまり良くない。 (4)線源位置検出のため、ピンホーン写真方式を用いる。ただしX線強度が低下しS/N比が悪化するので、信号を積分してS/N比を向上させる。 であった。 追従装置を試作し、性能検査の実験を行ったところ、ピンホールの代りに0.5mmのスリットを用いると、放射光の0.1mmの位置変動を検出できて、所期の位置分解能が得られた。しかし本年度はシステムの検討に時間を要し、放射光による実験も少なく、ビーム位置追従のためのソフトの完成と、異常分散を利用したX線回析実験を実現出来なかった。
|