1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63460228
|
Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
松生 勝 奈良女子大学, 家政学部, 助教授 (80091841)
|
Keywords | 光散乱装置 / 架橋反応 / ハイドロオキシプロピルセルロース / 拡散係数 / 慣性半径の2乗平均 / 自己相関関数 |
Research Abstract |
購入した光散乱装置により、希薄溶液中で架橋反応を起こさせたハイドロオキシプロピルセルロースの粒子半径、拡散係数、重量平均分子量慣性半径の2乗平均を測定した。その結果、架橋度が増加すると粒子半径は減少した。これは架橋により分子鎖のひろがりが束縛されたことを示唆している。濃度を上昇させてゲル状態にすると、散乱強度が強く、かつ散乱角の低い領域では塵の影響が反映し、正確な自己相関関数を求めることは困難であった。しかし多少の塵の効果を無視すると、ハイドロオキシプロピルセルロースのゲルは興味ある構造を示した。即ちゲル濃度が高くなるにつれて、ストークスの式によって求まる網目の間隔が小さくなり、散乱角依存性を示さなくなった。後者の現象は、ゲル濃度が高くなると、一様相を示唆する自己相関関数が得られていることを示唆しているが、得られたヒストグラム解析によって求められた粒径分布は、かなりの高濃度域まで分布が2つあらわれ、一様相に見えるところでも、実際にはかなり構造が複雑であることが理解しえた。ポリビニルアルコール溶液ならびにポリビニルアルコールとハイドロオキシプロピルセルロース混合溶液についても同様の実験を進行中である。
|