1989 Fiscal Year Annual Research Report
超らせん応力による鋳型DNA構造変化と転写開始活性
Project/Area Number |
63460237
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
橘 秀樹 神戸大学, 理学部, 助教授 (70126118)
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Keywords | DNA / 転写 / プロモ-タ- / 超らせん |
Research Abstract |
原核生物のプロモ-タ-部塩基配列に関しては、-35・-10配列の存在、ならびにプロモ-タ-の転写強度とコンセンサス配列への一致度との相関が指摘されている。しかし、生体内での自然な存在状態である超らせん状態下での解析は十分でない。ここでは負の超らせんの導入に伴う転写強度変化の測定を行った。その結果、昨年度見られた転写活性の増大は、超らせん非導入時に弱いようなプロモ-タ-において、より顕著なこと、また、そのような弱いプロモ-タ-において負の超らせん導入時に出現した、正規のものと異る位置から開始していると思われた転写物は、プロモ-タ-上流部にある配列を挿入すると超らせん非導入時にも現われることがわかった。 これらの点は、DNAの一次構造のみを考えていては説明困難である。そこで、DNAの立体構造を推定するプログラムを用い、まず、-35、-10、+1部位の立体空間上での位置関係を調べた。その結果、殆どの場合、-10と-35配列との間で、DNAがたわんでいること、そのたわみの方向は、+1部位塩基対でDickersonの規約どおりにx・y軸を定め、z軸のプラス方向に-10、-35配列をプロットした場合に、y軸のマイナス方向であることがわかった。このことがどの程度一般的なものかどうか、また、プロモ-タ-により、さらにx軸のプラスの方向にたわんだり、マイナスの方向にたわんだりしているので、このようなたわみの方向ならびに強さと、各プロモ-タ-転写活性強度との相関について、現在さらに調べている所である。なお、この研究は、西村善文、R.D.Wells両博士との共同研究である。
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[Publications] H.Tachibana: "A novel transcription start under the stress of supercoiling"
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[Publications] H.Tachibana: "Unidirectional bending of promoter DNA in -35 to +1 region"
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[Publications] H.Tachibana: "An ‘initiator-terminator vector' suitable for direct expression of genic segments in Escherichia coli" Protein Eng.(1990)