1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63470002
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岩澤 康裕 東京大学, 理学部, 教授 (40018015)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
有賀 哲也 東京大学, 理学部, 助手 (70184299)
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Keywords | ルテニウム結晶表面 / 表面化学反応機構 / 高分解能電子エネルギー損失分光 法 / 共吸着構造 / 素反応過程 |
Research Abstract |
超高真空技術の進歩やさまざまな表面解析機器の開発により、清浄結晶表面上の原子や吸着分子の構造、電子状態及び挙動が把えられるようになり、固体表面が持つ高い反応性や特異な物性が具体的に認識されるようになってきた。最近では、次のステップとして積極的に固体表面を修飾し、特異な表面物質相や新しい機能表面を作製する研究が始まっている。また一方で、これら素性の分かった表面上での吸着分子の挙動や表面反応の素過程に関する研究が、特に触媒作用や機能性材料作製のための表面反応などとの関連で、大きな注目を集め、また必要性が指摘されている。固体表面における化学反応過程を理解するためには、吸着分子や反応中間体の結合方向と配置及びそれら吸着種と表面との相互作用を明らかにする必要がある。本研究では、高分解能電子エネルギー損失分光法(HREELS)により吸着種の結合状態と結合の解離過程に関する研究を行った。また、新たに角度分析型飛行時間フーリエ変換質量分析計(FT-TOFMS)を設計、製作した。FT-TOFMSは、電子刺激脱離イオン角度分布(ESDIAD)測定法と飛行時間質量分析計の両方から得られる情報を抽出、解析することができる高効率の分析法である。これにより、反応中の吸着分子の結合サイトと吸着構造及び反応中間体のエネルギー状態と表面との相互作用に関する研究を行うことが可能である。HREELSを用いた研究では、Ru(001)表面に吸着したCOとNH_3が新しい(2×2)共吸着構造を形成し、その周期構造の場の中でNH_3が解離していくことが見いだされた。反応が実際に起こるためにはどのような構造と電子的相を作用が必要なのかを始めて明らかにした例といえる。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] H.Onishi: Surf.Sci.199. 54-66 (1988)
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[Publications] C.Egawa: Surf.Sci.195. 43-58 (1988)
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[Publications] C.Egawa: J.Chem.Soc.,Faraday Trans.1. 84. 321-330 (1988)