1988 Fiscal Year Annual Research Report
Hypervalentな有機典型金属系の構築と反応性の開発
Project/Area Number |
63470017
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
秋葉 欣哉 広島大学, 理学部, 教授 (20011538)
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Keywords | 二座配位子 / 三座配位子 / hypervalent / 超原子価 / アンチモン / ビスマス / アート錯体 / 位置異性化反応 |
Research Abstract |
1.二座配位子によるhypervalentなアンチモン、ビスマス化合物の合成と反応、(1)ヘキサフルオロクミルアルコールのジアニオンと二臭化トリアリールアンチモンやビスマス化合物とを反応して安定な5配位の超原子価化合物を合成した。このhypervalent化合物を塩化スルフリルと処理すると、容易に塩化アリールと5配位の塩化アンチモンまたはビスマス化合物が定量的に生成した。この際、電子供与性基を有する芳香環がより容易に解裂したことから、塩素陽イオンによるπ^-錯体を経由した反応機構を提案した。また、この反応で得られた塩化アンチモンやビスマス化合物はさらに二座配位子と反応して、C_2対称性を有するスピロ型hypervalent化合物に変換した。(2)上述した超原子価化合物を各種のリチウム化合物やグリニャール試薬と反応して6配位のアート錯体を調製して、置換基の位置異性化を核磁気共鳴スペクトルにより研究した。また、このアート錯体と各種プロトン酸との反応を検討して、プロトン化がまず酵素原子に起こり、つづいて脱炭化水素またはアンチモン(ビスマス)ー酸素結合が解裂して再閉環後脱炭化水素する機構を提案した。この際、生成物分布はこれらの競争反応速度の比により決まるものと考えられる。また、電子供与性基を有する芳香族環がより容易に脱離することも確認した。 2.三座配位子によるhypervalentなアンチモン化合物の合成と反応、平面三座配位子としてアミノジフェノール化合物を合成した。この三座配位子をジクロロアリールアンチモンと反応すると、アンチモンは容易に配位子を増加してジアリールアンチモン誘導体が得られた。この反応においては8員環における渡環反応が重要な役割をしていることが判明した。この新規なアンチモン化合物における求核反応や置換基の還元的カップリング反応を研究した。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Kin-ya Akiba: Tetrahedron Letters. 29. 3817-3820 (1988)
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[Publications] Kin-ya Akiba: Journal of The American Chemical Society. 110. 5576-5578 (1988)
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[Publications] Katsuu Ohkata: Tetrahedron Letters. 29. 5401-5404 (1988)
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[Publications] Kin-ya Akiba: Tetrahedron Letters. 30. (1989)
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[Publications] Yohsuke Yamamoto: Journal of American Chemical Society. 111. (1989)