1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63470021
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小倉 協三 東北大学, 非水溶液化学研究所, 教授 (80006303)
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Keywords | プラウノトール / ジテルペン / 生理活性テルペノイド / 水酸化酵素 / プレニ ルトランスフェラーゼ / 生合成 / イソプレノイド / オキシゲナーゼ |
Research Abstract |
1.当初計画通り、タイ産木本性植物Croton sublyratusに^<14>C-メバロン酸を投与し、トレーサー実験を行った結果、大部分の放射能はステロール類に取り込まれ、少量の放射能が目的物のプラウノトールに取り込まれることが確認された。 2.葉部のホムジネートより10万G上清画分を調整し、インプレノイド代謝に関連する各種酵素の活性を追跡した結果、インペンテニル二リン酸イソメラーゼ、ファルネシル二リン酸シンターゼおよびゲラニルゲラニル二リン酸シンターゼが認められ、それには芽生えから成長するに従い著しく変動した。この画分にはプラウノトールの生合成活性はなかった。強いホスファターゼ活性が認められた。 3.C.sublyratusから誘導したカルスから同様に粗酵素を調製してプレニルトランスフェラーゼ活性の存在を確認した。 4.タイから入手した種子を発芽させ、新鮮な粗酵素を調製することにより、初めてプラウノトールの無細胞系生合成に成功した。すなわちファイトトロン中で発芽、成長した若芽のホムジネートより得た10万G沈澱部をトリチウムで標識したゲラニルゲラニル二リン酸と好気的条件でインキュベートしたのち、生成物を分離すると多種類の放射生化合物が得られたが、それらの中にTLCおよびHPLCでプラウノトールの標準試料と完全に一致するものが存在した。^3H-ゲラニルゲラニオール界面活性剤とともに用いることにより、同様にプラウノトールへの変換が観察された。このヒドロキシル化反応は分子状酵素に依存することが示された。しかし、この酵素活性は芽生えの時期や状態により大きく影響を受けるほか、反応条件の設定にまだ問題があり、目下検討中である。
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[Publications] Tanetoshi,Koyama;Yuichirou,Kokubun;Kyozo Ogura: Phytochemistry. 27. 2005-2009 (1988)
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[Publications] Tanetoshi,Koyama;Michio,Ito;Shin-ichi,Ohnuma;Kyozo,Ogura: Tetrahedron Letters. 29. 3807-3810 (1988)