1990 Fiscal Year Annual Research Report
海洋生物由来の昆虫に対する生理活性物質の化学的研究
Project/Area Number |
63470022
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
越智 雅光 高知大学, 理学部, 教授 (40036562)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩崎 望 高知大学, 海洋生物教育研究センター, 講師 (20193724)
大野 正夫 高知大学, 海洋生物教育研究センター, 教授 (10036543)
小槻 日吉三 高知大学, 理学部, 助教授 (80093954)
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Keywords | 海産天然物 / Calicogorgia sp. / Ellisella sp. / Acalycigorgia sp. / 蚕 / アルテミア / ヒメシロレイシガイダマシ |
Research Abstract |
1.生理活性物質の分離 前年度のスクリ-ニングによって顕著な活性の認められた試料の内、特に強に活性を示したヤギ目の3種(Calicogorgia sp.,Ellisella sp.,Acalycigorgia sp.)について、種々の分離手段を用いて成分検索を行った。その結果、Calicogorgia sp.から3種のスフィンガニン誘導体を、Ellisella sp.からbriarane骨格を持つ4種のジテルペノイドを、Acalycigorgia sp.からXenicane骨格を有する4種のジテルペノイドをそれぞれ純粋に得た。 2.単離した成分の構造の解明 上記のようにして得た11種の化合物の構造について、各種スペクトルデ-タ並びに種々の化学反応により検討を加え、それぞれ推定もしくは決定することができた。 3.単離した成分の生理活性 今回得られた成分について、蚕幼虫に対する成長阻害活性並びにアルテミア幼生に対する致死活性を調べた。その結果、スフィンガニン誘導体は見るべき活性を示さなかったが、briarane骨格を持つジテルペノイドは蚕幼虫に、xenicane骨格を有するジテルペノイドはアルテミア幼生にそれぞれ強い活性を示した。また、これまでに海洋無脊椎動物から得た成分の生態学的役割を明らかにする為に、現在テ-ブルサンゴなどの石サンゴ類に食害を与えて大きな環境問題を引き起こしているアクキガイ科の巻貝ヒメシロレイシガイダマシに対する致死並びに忌避活性について調べた。その結果、eunicellin骨格を有するジテルペノイドの多くと分枝脂肪酸誘導体及びスフィンガニン誘導体に強い活性が認められ、これらの化合物が試料動物の生息環境の中で化学的防御機構の一翼を担っていることが明らかになった。
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[Publications] Masamitsu Ochi: "Litophynin D and E,Two New Diterpenoids from a Soft Coral <Litophyton>___ー sp." Chemistry Letters. 2183-2186 (1990)
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[Publications] Masamitsu Ochi: "Calicophirins A and B,Two New Insect Growth Inhibitory Diterpenoids from a Gorgonian Coral <Calicogorgia>___ー sp." Heterocycles.
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[Publications] Masamitsu Ochi: "Calicoferols A and B,Two Novel Secosterols Possessing BrineーShrimp Lethality from the Gorgonian <Calicogorgia>___ー sp." Chemistry Letters.
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[Publications] Masamitsu Ochi: "Litophynins F,G,and H,Three New Diterpenoids fron a Soft Coral <Litophyton>___ー sp." Heterocycles.