1988 Fiscal Year Annual Research Report
反跳イオン検出分析(ERDA)を用いる水分作用度の積分量を測定する新方法の開発
Project/Area Number |
63470033
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
野崎 正 北里大学, 衛生学部, 教授 (00087488)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荒谷 美智 理化学研究所, 核化学研究室, 研究員 (40087490)
青野 桂子 北里大学, 教養部, 講師 (10050444)
新沢 和裕 北里大学, 衛生学部, 助手 (90050616)
岩橋 槇夫 北里大学, 衛生学部, 講師 (70087120)
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Keywords | 反跳イオン検出分析(ERDA) / ガラス表面 / H-D置換 / 水分作用度の積分量 / 深さ分布 |
Research Abstract |
本年度は、ERDA測定を用いて、主として、(1)ガラス表面付近の陽イオンを水素置換する方法の検討と、(2)このガラスについて、水または空気中の水蒸気によるH→DまたはD→H置換に関する測定をした。その結果より、D置換ガラスを環境水のモニターに用いる場合の感度、問題点などについて考察し、引き続いて行うべき実験の順路を定めた。また、ERDAと同時に重元素をRBSで測定する装置を準備した。 陽イオンの水素置換は、調べた全てのガラスについて、100°Cの水中では遅すぎた。加圧加熱装置を購入して用いた結果、現在のところ、この目的には、ソーダガラスをアルカリで簡単に表面処理し、135°Cの水中に置くのが適当な方法と考えるに到った。200時間で400〓〓程度まで水素置換が進行する。置換した水素のプロファイルは、陽イオンが定量的に置換とれている深さが、部分的に置換されている部位より大なのが普通である。置換進行速度は深さとともに激減し、1μmまで置換するのは、どんな場合でも、はなはだ困難と思われる。温度をさらに上げると、表面が粗雑になってくる。 水素置換ガラスにおけるH→D・D→H置換は、上述の置換に較べて、たいへん容易に進行する。液体のH_2O・D_2O中における置換速度の温度依存性を観測することが出来た。空気中の水蒸気による置換も、一般に速やかに進行する。その結果、D置換ガラスを水分作用度の検出部として用いるには、感度が高すぎる恐れがある。 そんなわけで、現在、次ぎの諸項目を計画または実行中である。:(1)置換機構に関する考察、(2)水素置換ガラスを熱処理や表面処理して感度を下げたり、他の材質(多孔質ガラス、含水素アモルファスシリコンなど)を利用する試み、(3)RBCの同時測定、(4)モニター利用のモデル実験
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Research Products
(3 results)
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[Publications] M.Aratani,: Nucl.Inster.Methods. 1989. (4)
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[Publications] T.Nozaki,: RIKEN Accel Prog.Rep.23. (1989)
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[Publications] M.Iwahashi,: J.Colloid Interface Sci.