1990 Fiscal Year Annual Research Report
熱水鉱床に見られる結晶成長組織とその支配要因の解析
Project/Area Number |
63470043
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
松枝 大治 北海道大学, 理学部, 助教授 (20108921)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石山 大三 秋田大学, 鉱山学部, 講師 (30193361)
由井 俊三 北海道大学, 理学部, 教授 (10006637)
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Keywords | 熱水鉱床 / 結晶成長組織 / 結晶成長制御 / 画像解析 / 過飽和度 / 元素吸着機構 / 肉亜鉛鉱 / 化学組成 |
Research Abstract |
天然の各種熱水鉱床産の鉱石は,多様な特徴的鉱石組織を呈し,それら多様な組織は,溶液系における鉱物の結晶成長様式の違いを反映する。本研究では,各種熱水性鉱床(スカルン型,鉱脈型,黒鉱型,海底熱水鉱床)産の鉱石・脈石を研究対象とし,それらの鉱物共生・成長組織の肉眼・顕微鏡観察による組織分類を行い,その分類組織について結晶成長論的観点から検討・解釈を行い,鉱石・脈石鉱物の沈澱様式とその主支配要因を解明し,結晶成長モデルのシュミレ-ションを行う事を目的としている。本年度実施した研究内容の概要は以下の通りである。 1.我が国の各種熱水鉱床産鉱石・脈石の補足的サンプリングのため全国各研究機関の所蔵関係試料の検討を行い,実験試料として入手した。 2.収集試料について,それらの産状・組織について,肉眼・鏡下観察結果に基づいて,共生・成長組織の再分類を行った.その結果,鉱床・成因の違いによる組織の特性が明らかになり,結晶成長の支配要因を考察する上で重要な手がかりを得た。 3.各種成長組織と化学組成の対応関係の検討によれば,固溶体鉱物(肉亜鉛鉱・菱マンガン鉱等)においては顕著にその両者の密接な関係が認められ,結晶沈澱・成長時における鉱物相への元素吸着機構・結晶成長制御に関する重要な情報が得られた。 4.天然の熱水性鉱床産の代表的鉱石組織について,顕微鏡面像解析を実施し,組織変化パタ-ン解析,粒度・粒形分析,色調一組成対応解析を試みた。さらに画像解析処理結果に基づき,結晶成長様式の二次元・三次元的構造特性性の解明と結晶成長制御要因について特に結晶成長長母液の過飽和度の不均質性・ゆらぎ及び核形成の観点から検討した。 5.本年度は最終年度にあたるため,これまで得られた結果について口頭発表・印刷公表を行うための準備を進めた。
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[Publications] Motoyoshi,Y.,Hensen,B.J.& Matsueda,H.: "Metastable growth of corundum edjacent to quartz in a Spinelーbearing quartzite from the Archean Napier Complex,Antarctica" Jour.Metamorphic Geol.,. 8. 125-130 (1990)
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[Publications] Ishiyama,D.,Matsueda,H.& Matsubaya,O.: "Copperーleadーzinc mineralization at the Hayakawa and Shakako deposits,JokokuーKatsuraoka mining area,Southwestern Hokkaido,Japan" Jour.Min.Pet.Econ.Geol.85. 341-353 (1990)
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[Publications] Matsueda,H.and Ishiyama,D.: "Texture and chemistry of ore minerals in Kuroko ore,Akita Prefecture,Japan" Econ.Geol.
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[Publications] Kumita,S.,Ishiyama,D.,Matsueda,H.& Derkey,R.: "Polymetallic veinーtype mineralizations at the Emery mining district,Montana,U.S.A."