1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63470046
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
石川 達雄 北海道大学, 工学部, 教授 (10001158)
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Keywords | 溶融塩 / 合金電析 / 四塩化チタン / 塩化アルミニウム / 金属間化合物 |
Research Abstract |
昭和63年度の研究実施計画として、(1)Ti固容度の高い母合金組成の探索、(2)電解原料であるTiCl_4の溶解度の高い溶媒塩の選定、(3)電解槽へのTiCl_4の供給方法の確立、の3点を提出した。 (1)については、Al-Ni、Al-Cu合金を候補として実験的に検討した結果、実験温度では、Al-Ti二元系状態図における固溶限、0.3wt%以上の値を得ることができなかった。しかし、固溶限以上の成分は、比較的微細なAl_3Ti固体粒子として融体の底部に沈降し、Al融体中のTi成分が、NiCuと排他的に挙動することがわかった。そこで、純Alをカソードとして電解実験を行ったところ、電極表面近傍にAl_3Ti固体粒子の密集した層が生成し、これら粒子を融体内部へ分散させる方策が必要となった。 (2)、(3)については、溶媒塩としてNaCl〜KCl等モル混合塩を選定し、らせん状に加工した長さ約1mの透明石英管を用いて、気体がゆっくりと上昇するように工夫した結果、750℃における従来の値より1オーダー高い、約0.5mol%のTiCl_4浴中濃度が得られた。さらに、TiCl_4濃度を増大させる実験の過程で、浴中金属Al表面に、Al_3Ti固体粒子が化学的に生成する現象を見いだした。この際に、浴中のAl_3Ti濃度が増加していることから、Ti成分は、明らかにAlとの置換反応によって生成したものといえる。さらに、その生成速度は、浴中Al_3Ti濃度とともに増大することが判明した。 本研究の主目的である電解反応を解析するためには、この化学的置換反応による寄与分を正確に把握することが非常に重要であり、現在、実験的検討を継続中である。
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