1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63470046
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
石川 達雄 北海道大学, 工学部, 教授 (10001158)
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Keywords | 溶融塩内反応 / Al_3Ti金属間化合物 / 四塩化チタン / 塩化アルミニウム / 置換反応 / 撹拌効果 |
Research Abstract |
平成元年度の研究実施計画として、(1)溶融塩中における溶融AlとTiCl_4との置換反応速度の解明、(2)生成するAl_3Ti固体粒子の融体Al内部への分散方策の確立を設定した。 (1)については、NaCl〜KCl溶媒塩中に、予めAlCl_3を添加した場合と添加しない場合について、その反応速度を比較検討した。その結果、溶媒塩中のAlCl_3濃度の経時変化、及び、合金中のTi濃度の相違等から、AlCl_3を予め添加した系の方が、置換反応の速度が大きいことがわかった。これは、AlCl_3濃度の増加につれて、活性なAlメタルフォグの生成が増大するためであると思われる。この置換反応が、4Al+3TiCl_4→3Ti+4AlCl_3のように進行すると仮定して、溶媒塩中のAlCl_3増加量から生成Ti量を計算により求め、合金中に含まれる実際に生成したTi量との比較を行った。その結果、合金中の含有量が計算値を大巾に下まわり、TiCl_4から直接金属Tiに還元されるのでなく、Ti^<3+>、Ti^<2+>などを経由して金属Tiが生成することを示唆している。これら,溶融塩中のTiイオンの溶存形態に関して、動電位法などの測定手法を用い、今後も実験的検討を重ね、この置換反応速度の解明を行う予定である。 (2)(1)の実験及び電解実験を遂行する過程で、溶融Al表面にAl_3Ti固体粒子の密集層が形成され、合金内部には、ほとんど沈降しないことがわかった。そこで、溶融Al表面を流動させることによるAl_3Ti粒子の合金内部への分散を期待して、アルゴンガスバブリングを行った。その結果、Al_3Ti粒子の多くは、合金内部にほぼ均一に分散したが、Tiの析出反応も促進された結果、一部は表面近傍に強固な密集固体層を形成した。この表面層を含めて、全てのAl_3Ti粒子を溶融Al中に分散させるためには、溶融Al表面に均一な流動を与える必要があり、現在、アルミナ製のフィンを用いた機械的撹拌の予備実験を行っている。
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