1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63470051
|
Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
植田 安昭 九州工業大学, 工学部, 教授 (70039006)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野口 文男 九州工業大学, 工学部, 助手 (80039114)
中村 崇 九州工業大学, 工学部, 助教授 (20112360)
|
Keywords | Copper Refining / V elements(As,Sb,Bi) / Removal / Reduction Atomsphere |
Research Abstract |
強還元雰囲気下でのV族元素(As,Sb,Bi)特にBiの除去を目的とし、CaC_2、CaC_2-CaCl_2、CaC_2-NaCl系フラックスと溶銅間の平衡実験を行った。実験は約1000ppm前後に調製されたV族元素を含む溶銅と各種フラックスを1473K、COガス1気圧で24時間平衡後、急冷した。カーボンルツボからフラックスと銅を分離し、それぞれのV族元素を原子吸光とICAP法で分析した。 2元素フラックスでは、初期組成でCaC_250mol%以上の場合、実験後のフラックス中にCaC_2の固相が見られた。除去剤としてCaC_2単独添加では、溶銅中のBiの70%、Sbは20%、Asは5%ほど除去された。そのうちBiとSbはCaC_2により固定されていたが、Asについては気相中に揮発除去されたことがわかった。これは、CaC_2中に不純物として含まれていたSやClの影響と考えられた。CaC_2単独の場合、BiはBi_3Ca_2のような金属間化合物を形成し除去されることがわかったが、見かけの分配係数は約2程度で、ソーダフラックスによるAs、Sbの値と比較し小さかった。 CaC_2にCaCl_2を添加するとBiの除去率は低下し、CaCl_2単独フラックスでは除去率が10%となった。この時、Biはフラックス中にほとんど固定されておらず、気相中に除去された。Sbに関してもほぼ同様にCaCl_2の増加に従い除去率が低下した。一方Asは、CaC_2単独では5%の除去率であったが、CaCl_2が増えると徐々に除去率が大きくなり、CaCl_2単独では20%となった。この場合、Asは塩化物として気相中に除去されたことがわかったが、実用化には無理であった。 CaC_2-NaCl系フラックスを用いた場合、20mol%NaCl組成でCaC_2単独の場合より大きい除去率を示した。さらにNaClの割合が増加すると、再びBi除去率が低下した。Sb、Asに関しては、CaC_2-CaCl_2系フラックスの場合と同様の傾向を示した。
|
Research Products
(1 results)