1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63470051
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Research Institution | Kitakyushu National College of Technology |
Principal Investigator |
植田 安昭 北九州工業高等専門学校, 校長 (70039006)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 崇 九州工業大学, 工学部, 助教授 (20112360)
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Keywords | 銅の乾式精製 / ハロゲン系フラックス / キャパシティ / 光学的塩基礎 / 金属間化合物 / V族元素 |
Research Abstract |
近年、銅製錬で問題となっているV族元素(As、Sb、Bi)の除去を乾式精製で行うプロセス開発の基礎研究を行った。除去プロセスとして、酸化と還元の2つの方法を考え、実験を行ったのでそれぞれの項目について概要をまとめる。 (1)ハロゲン系フラックスによる酸化除去 銅中のAs、Sbに関しては、炭酸ソ-ダフラックスで除去できることが知られているので、主にBiの除去を目的にハロゲン系フラックスと溶銅間のV族元素の今配実験を行った。その結果、BaCO_3ーBaCl_2系のフラックスはBiの除去にある程度効果的であることが判明した。同時に酸化除去を考える時、フラックスの除去能力を一般的に表わす方法としてAs、Sb、Biキャパシティを提案し、それらの値が理論光学的塩基度と対応することを明らかにした。 (2)CaC_2ーハロゲン系フラックスによる還元除去 Biは比較的酸化しにくい元素であるので、金属間化合物を生成させて還元除去する方法を考えた。Biの金属間化合物はCo_3Bi_2が良く知られているが1473Kでは溶融しており、銅との分離ができない。そこでCaC_2CaCl_2系フラックスを用い、金属間化合物を塩化物浴中に溶融させて分離する方法を提案し、基礎実験を行った。その結果、CaC_2ーCaCl_2系フラックスをBi1000PPmの溶銅と1473Kで平衡させると24時間で約30%のBiが除去できた。但し、この場合フラックス中に固定されといるBiは除去されたBiの40%程度であった。同様の実験でCaC_2ーNaCl系フラックスを用いた場合、Bi除去率は70%近くに上昇した。これは、生成した金属間化合物のフラックス中の活量が低下したためと推察される。除去反応の完全な理論的解明はできなかったが、乾式法によるBi除去プロセスの司能性を示すことができた。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 中村崇,野口文男,植田安昭: "ハロゲン系フラックスによる溶銅からのV族元素除去" 資源・素材関係学協会合同秋季大会・分科研究会資料. S2. 5-8 (1988)
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[Publications] 安藤正俊,中村崇,野口文男,植田安昭: "溶銅中のビスマスの還元除去" 資源・素材学会誌.