1989 Fiscal Year Annual Research Report
高エネルギ-密度リチウム二次電池用非晶質酸化物に関する研究
Project/Area Number |
63470058
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
山本 治 三重大学, 工学部, 教授 (70023116)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武田 保雄 三重大学, 工学部, 助教授 (60093051)
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Keywords | リチウム二次電池 / 非晶質酸化物 / ブラネライト型酸化物 / リチウム・カ-ボン複合電極 |
Research Abstract |
リチウム二次電池の向上のため、(1)陽極活物質として高原子価を含むCr_3O_8,V_2O_5をベ-スとした非晶質酸化物(比較のため結晶質の物質もあつかった)の種々の検討、(2)LiClO_4にかわる安全な電解質溶液の開発、(3)可逆性にすぐれたデンドライトの析出をふさぐためにLi/カ-ボン複合電極の研究、という3つのポイントについて本年度は研究を行った。(1)に関してまず述べると、非晶質Cr_3O_8は充放電特性に実にすぐれているが、一次粒子を微細にするのが困難で電流密度向上に問題がある。水との急速乾燥法やガラス材の添加を試みたが今までのところきわだった向上は見ていない。V_2O_5をベ-スとしたCuV_<2-x>MoxO_6(ブラネライト構造)はLiの可逆性がよくLiの出入とともにCuの入、出が同時におこる。V側では充放電過程で簡単に非晶質にない、Mo側では頑として結晶性を保ったままというおもしろい性質を示した。いずれもすぐれた充放電特性を示したが、非晶質になるV側の方がいい特性を示したのは示唆的であった。ただCuの析出が短絡という問題をひきおこすのが、難点であった。(2)に関しては、大容量にした際、爆発の危険性を100%は否定できないLiClO_4に変わる電解質がないかどうかを種々検討を行ったが、LiPF_4とPC及びDMEの1:1混合溶液がLi/a-Cr_3O_8電池では電流密度に関しても、充放電特性に関してもすぐれている事を見出した。(3)のリチウム極については、今まで色々な可逆性にすぐれたLi電極の検討を行ってきた。その結果、ある種のカ-ボンファイバ-(東レ、M46)が広い範囲でリチウムの層内への吸蔵、放出を行う事が明らかになった。このカ-ボンをリチウム金属とはりあわせた複合電極を作成し、LiC/a-Cr_3O_8の様な電池を作って充放電を繰り返すと、Li極では、充電でもどって来たLiがカ-ボンに吸収され、デンドライトの形成が見事におさえられた。充放電回数も大幅に増加した。
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[Publications] 菅野了次: "リチウム二次電池用カ-ボンファイバ-負極の充放電機構" 電気化学会誌. 57. 614-615 (1989)
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[Publications] R.Kanno: "Carbon as Negative Electrodes in Lithium Secondary Cells" J.Power Sources. 26. 535-543 (1989)
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[Publications] Y.Takeda: "Characteristics of Brannerite Type Cu V_<2-x>MOxO_6 Cathode for Lithium Cells" J.Electrochem Soc.