1989 Fiscal Year Annual Research Report
プロント導電性セラミックスを利用した電気化学的水素分離に関する研究
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63470061
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
岩原 弘育 名古屋大学, 工学部, 教授 (80023125)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
江坂 享男 鳥取大学, 工学部, 教授 (70116317)
余語 利信 名古屋大学, 工学部, 助手 (00135310)
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Keywords | 水素分離 / プロトン導電性セラミックス / 水素選択透過 / 硫化水素 / 水素混合ガス |
Research Abstract |
この研究は、本研究者らが見いだした高温型プロトン導電性セラミックスの電気化学的水素選択透過能を利用して、混合ガスから水素を分離したり、混合ガス中の水素分圧を任意に制御する方法を確立することを目指したもので、本年度の研究成果を要約すると次のようになる。 1.各種混合ガスからの水素の分離実験 昨年度に引き続き、SrCeo _<95Vbo> o_5O_<3-α>組成のプロトン導電性セラミックス管を用いて、硫化水素から水素を高温で電気化学的に分離する実験を、より詳細に行なった。その結果、水素分離効率と通電電流との関係を各電解温度において明らかにすることができた。また、高電流域での両極間の電圧のふらつきは、硫化水素中に少量の水蒸気を添加することで防止できることを明らかにした。硫化水素のほか、メタン-水素やエタン-水素混合ガスについても水素分離実験を行ない、100%に近い分離効率で水素が分離されることを立証できた。これらの実験には、本年度購入した真空排気装置を使用した。 2.水素抽出電極反応の解明と電極の最適化 上記の水素抽出実験で各電極において進行するガス電極反応について、本年度購入した電極過渡測定装置とシンクロスコ-プを用いて検討した結果、各電極反応は円滑に進行し、その反応抵抗はプロトン導電性セラミックス自体の抵抗よりかなり小さいことがわかった。なお、電極材として白金以外にも各種材料を試験した結果、ニッケルが最適であることがわかった。 3.更に良好なプロトン導電性をもつセラミックスの探索 水素と二酸化炭素を含む混合ガス中で安定なプロトン導電性を示す酸化物を各種探索した結果、CaZro_3のZrを5〜15%Inで置換した固溶体が良好なプロトン導電性を示すことを見いだした。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 内田裕之,安田晶,岩原弘育: "SrCeO_3系高温型プロトン導電体の物理的及び化学的性質" 電気化学. 57. 153-156 (1989)
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[Publications] 岩原弘育,内田裕之,高島和行: "SrCeO_3系プロトン導電体を用いた水素分圧制御" 電気化学. 57. 996-999 (1989)
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[Publications] H.UCHIDA,H.YOSHIKAWA,H.IWAHARA: "FORMATION OF PROTONS IN SrCeO_3-BASED PROTON CONDUCTING OXIDES.PART I.GAS EVOLUTION AND ABSORPTION IN DOPED SrCeO_3 AT HIGH TEMPERATURE" Solid State Ionics. 34. 103-110 (1989)
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[Publications] H.UCHIDA,H.YOSHIKAWA,H.IWAHARA: "DISSOLUTION OF WATER VAPOR(OR HYDROGEN)AND PROTON CONDUCTION IN SrCeO_3-BASED OXIDES AT HIGH TEMPERTURE" Solid State Ionics. 35. 229-234 (1989)
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[Publications] H.UCHIDA,H.YOSHIKAWA,T.ESAKA,S.OHTSU,H.IWAHARA: "FORMATION OF PROTONS IN SrCeO_3-BASED PROTON CONDUCTING OXIDES.PART II.EVALUATION OF PROTON CONCENTRATION AND MOBILITY IN Yb-DOPED SrCeO_3" Solid State Ionics. 36. 89-95 (1989)
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[Publications] 岩原弘育: "気相電解による水素製造" 化学工学. 53. 812-813 (1989)