1988 Fiscal Year Annual Research Report
湿式法による機能性無機材料の合成とキャラクタリゼーション
Project/Area Number |
63470063
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
南 努 大阪府立大学, 工学部, 教授 (80081313)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
町田 信也 大阪府立大学, 工学部, 助手 (10190381)
辰己砂 昌弘 大阪府立大学, 工学部, 助手 (50137238)
峠 登 大阪府立大学, 工学部, 講師 (00081315)
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Keywords | 超伝導体 / ゾル-ゲル法 / アルコキシド法 / 塗膜熱分解法 / 噴霧熱分解法 / 超微粒子 |
Research Abstract |
高イオン導電性、触媒能、高温超伝導性などの極めて高い機能性を有する無機材料の合成においてはは、組成の最適化とともに微細構造の厳密な制御が必要である。このような材料の合成法として水溶液やアルコール溶液から出発する湿式法は、得られる材料の均質性、計上の多様性、量産性などの点で優れている。しかしながら現在のところ、湿式合成法では出発物質の選択や、その反応過程が充分に解明されていないという問題点もある。本研究では、高い機能性を有する無機材料を合成するプロセスを確立することを目的として、目的物質に適した合成プロセスの開発と反応過程の解明、微細構造の解析、および得られる材料の特性評価を行ったものである。主な成果は次の通りである。 1.種々の配位子により安定化させた銅、イットリウム、バリウムのアルコキシドを出発原料として、塗膜熱分解法によりY-Ba-Cu-O系複合酸化物薄膜を作製した。これらの薄膜の作製条件が超伝導特性などに与える影響について検討したところ、エタノールアミン類で安定化させた金属アルコキシドを用いることにより絶対温度91Kにおいて超伝導転移を示す薄膜を作製することに成功した。また同様の方法を120Kで超伝導転移を示すBi-Sr-Ca-Cu-O系に応用したところ、860℃で20時間焼成することにより基板と垂直方向に強くC軸配向した膜が得られることを見出した。 2.銅、イットリウム、バリウムの各硝酸塩水溶液を超音波噴蒸して発生させた微小液的を熱分解する噴霧熱分解法を用いて、Y-Ba-Cu-O系複合酸化物の微粒子を作製した。反応温度またはキャリアガス流量と作製した粒子の構造について検討したところ、本合成法において粒子の生成は反応温度には大きく左右されるが、炉内での滞留時間にはあまり影響されないことがわかった。また得られた微粒子は、平均粒径0.5μm程度の非常に均質の球状粒子であり、焼結性に優れていることを見出した。
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[Publications] M.Tatsumisago: Chemistry Express. 3. 311-314 (1988)
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[Publications] T.Minami: Jpn.J.Applied Physics. 27. L777-L778 (1988)
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[Publications] N.Tohge: Jpn.J.Applied Physics. 27. L1086-L1088 (1988)
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[Publications] Y.Akamatsu: Jpn.J.Applied Physics. 27. L1696-L1698 (1988)
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[Publications] N.Tohge: J.Cermic Society Jpn.96. (1989)
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[Publications] M.Tatsumisago: Applied Physics Letters. 54. (1989)