1988 Fiscal Year Annual Research Report
光励起された不均一界面における電荷移行過程の解明とその新しい応用
Project/Area Number |
63470064
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
藤嶋 昭 東京大学, 工学部, 教授 (30078307)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
馬場 涼 東京大学, 工学部, 助手 (70198951)
伊藤 公紀 東京大学, 工学部, 講師 (40114376)
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Keywords | 半導体電極 / トンネル顕微鏡 / 酸化チタン / 電子移行 |
Research Abstract |
半導体電極を用いることにより、光エネルギーを電気化学的に変換してクリーンエネルギーである水素燃料および電気エネルギーを発生させる電気化学光電池を発展させる研究を実施した。具体的には、光励起下での半導体電極反応の詳細な機構解明を目的とし、まず不均一界面の電荷移行プロセスを新しいテクニックであるSTM(走査トンネル顕微鏡法)およびレーザーパルス励起ポテンシャル法を用いて研究した。さらに新しい応用としてのパターン形成法の可能性をさぐる研究を実施した。 まず、STM試作とこれによる半導体-溶液界面観測の可能性の検討をおこなった。半導体-溶液界面のSTM観測が可能となるようなSTM装置の試作では3次元ピエソ素子を用い、しかもミクロ電極が上方から動くような構造とした。このSTM装置を用いTiO_2半導体表面準位の決定を試みた。まず、電位コントロール系やデータ処理系にも充分注意をはらい、また外部からの振動などのノイズを除去したSTM系を作り、トンネル電極を測定した。トンネル電流バイアス電圧測定において顕著な整流作用が観測され、半導体表面電子状態構造によるトンネル電流への影響が示された。TiO_2のバルク特性であるバンドギャップエネルギーは、3.05eVと報告されているが、本測定により、表面の電子状態が明らかにバルク特性と異なっていることが実証された。レーザー励起ポテンシャル法による界面電位分布の解明としてN_2レーザーを用いて、半導体-溶液界面をnsecオーダーで励起し、その時のフォトポテンシャルより、半導体-溶液界面の電位分布を詳細に検討した。さらにポリピロールの半導体上への光電気化学系による折出を試み、ピロール溶液中でマスクを通し光を照射することでTiO_2、ZnO電極上に画像を作ることができた。この画像形成過程の機構についても検討した。
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Research Products
(12 results)
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[Publications] S.Yoshihara: Bull.Chem.Soc.Japan. 61. 1017-1019 (1988)
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[Publications] S.Yoshihara: J.Electroanal.Chem.243. 475-479 (1988)
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[Publications] A.Aruchamy: J.Electroanal.Chem. 244. 333-338 (1988)
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[Publications] C.M.Braun: J.Appl.Phys. 63. 5756-5760 (1988)
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[Publications] A.Manivannan: J.Luminescences. 42. 43-47 (1988)
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[Publications] K.Kohayakawa: Kagaku Kaishi. 1175-1181 (1988)
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[Publications] M.Okano: J.Electrochem Soc.135. 1641-1645 (1988)
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[Publications] Zhou Gouding: J.Shanghai Insitute of Electric Power. 13-21 (1988)
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[Publications] S.Yamagata: Bull.Chem.Soc.Japan. 61. 3429-3434 (1988)
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[Publications] S.Yoshihara: J.OI Metal Finishing Society of Japan. 39. 527-531 (1988)
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[Publications] S.Yoshihara: Mat.Res.Bull.23. 759-763 (1988)
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[Publications] K.Itoh: J.Am.Chem.Soc.110. 6267-6269 (1988)