1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63470065
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
吉田 郷弘 京都大学, 工学部, 教授 (00025933)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金井 宏俶 京都大学, 工学部, 助手 (40026050)
船引 卓三 京都大学, 工学部, 助教授 (70026061)
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Keywords | 多孔性非晶質合金 / 表面修飾 / メタノール脱水素 / 構造変化 / 触媒のキァラクタリゼーション |
Research Abstract |
1)多孔性非腰質合金の合成 急速固化法で得られた銅・チタン非晶質合金(銅:チタン=67:33)を粉砕し、これにギ酸亜鉛を沈着させ、水素雰囲気下225℃において加熱処理することによって、合金粉末表面層に亜鉛原子を拡散注入させた。次に、希NaOH液中へこの粉末を一定時間浸して、注入亜鉛を溶出させることにより、多孔性非晶質合金を得た。亜鉛溶出条件を種々検討した結果、NaOH濃度1.3Mの場合は100分間の処理が、NaOH濃度0.7Mの場合は300分間の処理が最適であることがわかった。 2)多孔性非晶質合金の物性測定 上で得られた多孔性非晶質合金の物性を種々の方法で測定した。X線回折、示差熱解伏より、原非晶質合金の加熱による結晶化は2段階で進行するが、多孔性合金では第1段階はNaOH処理の際に生じていることまたEXAFSの解伏により、X線回折では検知できない構造緩和が、200℃での酸素処理によって生じること、さらにX線電子分光法から、穏和な条件での酸素処理により表面銅原子濃度が増大すること等が明らかとなった。 3)メタノール脱水素反応に対する触媒性能 非晶質合金のメタノールからギ酸メチルへの脱水素反応に対する触媒性能を低圧循環反応装置により調べた。高活性な触媒を得るには200〜300℃での酸素処理が必要であるが、多孔性合金の活性は原合金の活性の約4倍高いことが示された。またギ酸メチルへの選択率は90%に達した。ただし、表面積と活性とは必ずしも比例せず、活性種である銅原子の電子状態の制御も重要であるとの結果を得た。 今後は実用化の可能性を検討する目的で、流通法反応装置により常圧での触媒性能を検討する予定である。
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Research Products
(1 results)