1988 Fiscal Year Annual Research Report
ウラニル錯体を触媒に用いる核酸関連生理活性物質の高効率選択合成
Project/Area Number |
63470076
|
Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
沢井 宏明 群馬大学, 工学部, 教授 (70012648)
|
Keywords | ウラニル錯体 / 核酸関連生理活性物質 / オリゴヌクレオチド / 2´- 5´結合 / 選択合成 / 金属イオン触媒 |
Research Abstract |
1.核酸のモノマー単位であるヌクレオチド(アデニル酸、ウリジル酸、シチジル酸など)とイミダゾールとの反応で対応するヌクレオシド-5´-ホスホイミダゾリドを合成した。 2.アデニル酸を臭素化、次いでアジドと反応し8-アジドアデニル酸を合成した。さらに対応するホスホイミダゾリド体と合成中である。3.上記で合成した各種のヌクレオシド-5´-ホスホイミダゾリド(ImpN)を中性水溶液中、室温で触媒量のウラニル化合物(硝酸ウラニル)と反応し錯体形成を行わしめ、さらにこの錯体を経由したImpNの縮重合反応を行った。 4.上記の縮重合反応で生成した核酸のオリゴマーの重合度、結合部位選択性、収率を高速液体クロマドグラフィーで分析した。また核酸分解酵素による選択分解産物の分析で構造を確認した。ウラニル錯体を触媒に用いると2量体から16量体までのオリゴヌクレオチドが95%以上の好収率で得られることを見出した。またオリゴヌクレオチドの結合部位選択性は95%以上が2´- 5´結合、残りが3´-5´結合で非常に選択性の高い反応であること明らかにした。さらに触媒濃度、反応液のpH、反応温度などの反応条件を変えることにより生成するオリゴヌクレオチドの鎖長、結合部位選択性の制御が出来ることを確認した。この結果任意の鎖長の2´-5´オリゴヌクレオチド類の簡便で効率的な選択合成が達成された。 5.現在インターフェロン処理細胞由来の強力なたんぱく合成阻害剤2-5Aの長鎖長アナログを上記の方法で大量合成し、そのスペクトルによる物性の研究および生物活性の研究を進めている。 6.さらに二価金属イオン触媒系を用いて種々のヌクレオシド-5´-ホスホイミダゾリドの縮重合反応によるオリゴヌクレオチド合成反応を中性水溶液で行い、この反応がリボース系に特異的に起る反応であることを明らかにした。
|
-
[Publications] H.Sawai: Nucleic Acid Res.Sp.Ser.19. 5-7 (1988)
-
[Publications] H.Sawai: J.Mol.Evol.27. 181-186 (1988)
-
[Publications] H.Sawai: Bull.Chem.Soc.Japan. 62. (1989)