1989 Fiscal Year Annual Research Report
カルベンの選択的挿入反応を利用した炭素骨格の新しい合成法
Project/Area Number |
63470080
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
奥 彬 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 教授 (50027885)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鎌田 徹 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 助手 (30214513)
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Keywords | カルベン / カルベノイド / 挿入反応 / シクロプロパノ-ル / 電子移動反応 / オキソニウムイオン / オキソニウムイリド |
Research Abstract |
前年度までのCーH挿入反応から引続き発展させて新たな研究課題を開拓し、次の1ー3の成果を得た。 1.三員環カルベンの前駆体としてジブロモノルカランとnーブチルリチウムとから得られるブロモリチウムカルベノイド(1)の反応において、1のみでは反応を起こさない-80℃の低温においても、tーBuOKを系中に添加すると容易に反応が起こり、溶媒THFのα位にCーH挿入反応が高効率で進行することを見いだした。この反応促進効果は、いわゆるLICKOR試剤と類似の有機金属・tーBuOKとの錯化により1のα脱離促進効果となって現れたものであることを明らかにした。 2.シクロプロパノ-ル誘導体であるヘミアセタ-ルやシアノヒドリンをフリ-カルベンと反応させると、OーH挿入反応は起こらずに、1:1開環付加物であるプロピオン酸誘導体が生成することを見いだした。この新規反応は見かけはOH基の水素がカルベンで引き抜かれて始まる反応のように見えたが、基底一重項、三重項いずれを用いても起こることから、スピン多重度に無関係に起こる機構として、カルベンへの一電子移動に始まる開環付加反応であることを提唱した。 3.2の研究に関連して、酸素原子を含む化合物とフリ-カルベンとの反応におけるオキソニウムイリド中間体の形成とその合成への利用を検討し、環状エ-テルのオキソニウムイリドへの求核剤付加と組み合わせたone-pot反応による三成分連結型合成反応を開発した。
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[Publications] T.Harada: "Generation and Alkylation of Lithium 1-Halocyclopropyl Zincate." Tetrahedron Lett.29. 6035-6038 (1989)
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[Publications] T.Harada: "Stereoselective Synthesis of gem-Disubstituted Cyclopropanes from gem-Dibromocyclopropanes." Tetrahedron Lett.29. 6039-6040 (1989)
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[Publications] A.Oku: "Novel Ring-Opening Addition Reaction of Cyclopropanols with Carbenes" J.Chem.Soc.,Chem.Commun.1990. (1990)
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[Publications] A.Oku: "Rhodium(II)-Catalyzed Intramolecular Carbenoid Reaction.Novel Ring-Cleaving Rearrangement of(Tetrahy drofurylacetyl)diazomethane" J.Am.Chem.Soc.