1988 Fiscal Year Annual Research Report
鎖末端に酸・塩基残基を持つ高分子の合成とその集合体秩序構造の形成
Project/Area Number |
63470094
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
中浜 精一 東京工業大学, 工学部, 教授 (90016410)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平尾 明 東京工業大学, 工学部, 助教授 (00111659)
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Keywords | アミノ基 / ブロック共重合体 / テレキリックポリマー / ポリイオンコンプレックス / ミクロ相分離構造 / 多孔質膜 / 集合構造 |
Research Abstract |
4-アミノスチレンのアミノ基をトリメチルシリル基で保護した4-[N,N-ビス(トリメチルシリル)アミノ]スチレンを合成し、このモノマーと両末端成長リビングポリスチレンを反応させてブロック共重合体を得、その酸加水分解によりポリ[(4-アミノスチレン)-b-(スチレン)-b-(4-アミノスチレン)]を合成した。この方法によりアミノ基を有する両末端のブロック鎖長が600〜4,800のポリマーを得た。ポリマーのGPC、^1HNMR、IR、VPO測定によりキャラクリゼーションをおこなった。一方、両末端カルボキシル基を有するポリエチレンオキシド(PEO酸、分子量400〜6,000)を得た。ブロック共重合体のアミノ基とテレキリックポリマーのカルボキシル基を当量づつ含むテトラヒドロフラン-メタノール溶液を調整し、薄膜にキャストして透過型電子顕微鏡観察を行った結果、ブロック共重合体単独の場合とは異なる特異なミクロ相分離構造が認められた。これはポリイオンコンプレックス生成による新しい集合体秩序構造が形成されたためと考えられる。対照実験として、アミノ基あるいはカルボキシル基を持たないポリマーの組合せではこのような集合構造が発現しないことを確かめた。さらに、特別な場合として両末端にカルボキシル基を1残基だけ持つテレキリックポリマーとPEO酸を組合せた場合もミクロ相分離構造が生成することを見いだした。次に、同溶液から約20μmの厚さの膜を調整し乾燥後、KOH-MeOHにより洗浄すると白色フィルムが得られIR測定からほぼ完全にPEO酸成分が除去されることが明らかになった。このフィルムの表面および断面の走査型電子顕微鏡観察により上記のミクロ相分離構造の対応した形態の多孔質膜が形成されていることを見いだした。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Akira hirao;Yoshiyuki Ishino;Seiichi Nakahama: Macromolecules. 21. 561-565 (1988)
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[Publications] Takashi Ishizone;Akira Hirao;Seiichi Nakahama: Macromolecules.
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[Publications] Ken Suzuki;Kazuo Yamaguchi;Akira Hirao;Seiichi Nakahama: Macromolecules.
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[Publications] ken Suzuki;Akira Hirao;Seiichi Nakahama: Makromol Chem.