1989 Fiscal Year Annual Research Report
オリゴヌクレオチドと認識酵素の相互作用の化学的解明
Project/Area Number |
63470124
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
上田 亨 北海道大学, 薬学部, 教授 (00001032)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松田 彰 北海道大学, 薬学部, 助教授 (90157313)
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Keywords | DNA / 制限酵素 / DNA-シトシンメチル化酵素 / 6-アザシトシン |
Research Abstract |
DNAの機能発現の調節に関与する蛋白質はDNA中の特定のヌクレオチド配列または特定の立体構造を認識してそこに結合する。しかし、これらの詳細については現在までのところ未知の部分が多い。本研究では各種制限酵素ならびに遺伝子発現の調節に密接な関係をもつDNAメチラ-ゼを例にとり、特にヌクレオチド鎖の特定塩基配列部分の構造の特徴とDNAヘリックス全体のコンホメ-ションに注目し、各種の部分変換を受けた核酸塩基を含むオリゴヌクレオチドを合成し、制限酵素のDNA塩基配列認識の機構ならびにDNAメチラ-ゼのメチル化の機構の解明を目的にしている。 制限酵素の塩基配列および構造認識機構の解明のためにチミン(T)のかわりに各種5位置換ウラシル(Br,H,Ef,CN)を含むオリゴマ-を合成した。これらを用いて制限酵素BglIII、Sau3AIなどについて解析したところ、酵素認識には、5位置換基の電気陰性度ならびにかさ高さが重要であることが明らかになった。 シトシン(C)の代わりに6-アザシトシン(azac)を含むオリゴマ-を合成し、DNA-シトシンメチル化酵素M-HhaI(GCGCを認識するメチル化酵素)との相互作用を調べたところ、このオリゴマ-は阻害効果をもつことが明かとなった。従って、この酵素によるメチル化はシトシンの6位への酵素の求核付加にはじまることを明らかにすることが出来た。
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