1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63470126
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
古賀 憲司 東京大学, 薬学部, 教授 (10012600)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 茂貴 東京大学, 薬学部, 助手 (10170672)
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Keywords | カチオン性シクロファン / アニオン性フィクロファン / ホストゲスト錯体 / 包接錯体 / クロマトグラフィー用担体 / 分子認識 / 疎水性相互作用 / 電荷相互作用 |
Research Abstract |
さきに我々は、ジアリールメタン骨格を有するシクロファン(一般式1__〜)が水溶液中で疎水性内孔を有し、各種の芳香族化合物をその内孔に取り込んで包接錯体を生成すること、このときある程度の分子認識が起こることを明らかにした。 この知見をもとに本年度は次の二点を明らかにした。 1.シクロファン(1,n=4)をアガロースゲルに共有結合で結びつけたクロマトグラフィー用の担体を合成した。この担体は各種の芳香族化合物を分離しうることが判明した。この場合の溶出順序が錯体の安定度定数の順序とパラレルであることから、包接錯体の生成による分離であると結論できる。 2.8個のカルボキシレート基により水に可溶化されたアニオン性シクロファン(2__〜)をデザインし、合成した。これらのシクロファンは上記のカチオン性シクロファンと異り、陽電荷を有する各種の芳香族化合物と水溶液中で包接錯体を生成することが判明した。この結果、シクロファンを用いる包接錯体の生成は、ゲストの芳香族化合物の疎水性部分の形や大きさのみならず、電荷のちがいを認識しうるホスト化合物として用いうることが明らかになった。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 古賀憲司: Pure & Applied Chemstry. 60. 539-543 (1988)
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[Publications] 古賀憲司: J.Inclusion Phenomena. 7. (1989)
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[Publications] 小田嶋和徳: Chem.Pharm.Bull. 37. (1989)