1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63470133
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
勝部 幸輝 大阪大学, たんぱく質研究所, 教授 (20032013)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北川 康行 大阪大学, たんぱく質研究所, 助手 (70195254)
佐藤 衛 大阪大学, たんぱく質研究所, 助手 (60170784)
畑 安雄 大阪大学, たんぱく質研究所, 助手 (10127277)
松浦 良樹 大阪大学, たんぱく質研究所, 助教授 (90029968)
|
Keywords | グルタチオン合成酵素 / 結晶解析 / 構造と機能 / 動的構造 / イメ-ジングプレ-ト回析計 |
Research Abstract |
昨年までは、回析デ-タ測定時間の短縮を目的として、イメ-ジングプレ-ト(IP)を利用したX線自動回析計の開発、および動的構造解析に適する蛋白質を検索する目的で、グルタチオン合成酵素をはじめとするいくつかの蛋白質(キシラナ-ゼ、セルラ-ゼ、タカアミラ-ゼA、イソプロピ-ルマレ-ト脱水素酵素など)のX線結晶解析を行ってきた。その結果、本研究によって開発したIPによるX線回析計は、従来の4軸型回析計に比べて同精度の回析強度デ-タが、10位の速度で収集可能であることが判った。また、グルタチオン合成酵素は、昨年度行った構造解析の結果から、17残基(226ーIPQGGETRGNLAAGGRGー242)に及ぶ電子密度を与えない柔軟なペプチド鎖領域(フレキブルル-プ)が存在することが明らかになっていたので、この柔軟なル-プの必要性と酵素の触媒反応中の構造変化を知るため、この酵素を本研究の目的である動的構造解析のタ-ゲット蛋白質とした。そこで、基質結合部位を知る目的で、ATPGly、γーGluーAbuのそれぞれと酵素との複合体、また、ル-プの柔軟性の減少を図る目的で、ル-プ中の残基を他の残基に置換した変異酵素P227V、G229A、G229V、G240A、G240Vやこのル-プをGlyーGlyーGlyで置き換えた変異酵素(DEL)を作成し、構造解析を試みた。これらのうち、現段階で構造解析に成功しているものは、酵素ーATP、酵素ーγーGluーAbu、酵素ーATPーγーGluーAbu、G240VおよびDELの5つである。これだけの数の構造解析が短期間に成功したのは、IP回析計の開発により、従来よりも小さな結晶を用いることができ、しかも短時間でのデ-タ収集が可能になったことによるものである。これらの複合体および変異酵素の構造と野生型酵素の構造比較から、この酵素の基質特異性は、基質結合時に起こるル-プの構造変化(動的構造)によって高められていることが明らかになった。
|
-
[Publications] S.Kamitori,A.Okamoto,K.Hirotsu,T.Higuchi,S.Kuramitsu,H.Kagamiyama,Y.Matsuura and Y.Katsube: "ThreeーDimensional Structures of Asparate Aminotransferase from Escherichia coli and Its Mutant Enzyme at 2.5A^^°" J.Biochem.108. 175-184 (1990)
-
[Publications] A.Nakagawa,Y.Higuchi,N.Yasuoka,Y.Katsube,T.Yagi: "SーClass Cytochromes c Have a Variety of Folding Patterns:Structure of Cytochorme cー553 from Desulfovibrio vulgaris Determined by the MultiーWaveーlength Anomalous Dispersion Method" J.Biochem.108. 701-703 (1990)
-
[Publications] T.Tsukihara,K.Fukuyama,M.Mizushima,T.Harioka,M.Kusunoki,Y.Katsbe,T.Hase and H.Matsubara: "Structure of [2Feー2S]Ferredoxin I from the Blueーgreen Alga Aphanothece sacrum at 2.2 A^^° Resolution" J.Mol.Bial.216. 399-410 (1990)
-
[Publications] H.Yamaguchi,H.Kato,Y.Hata,T.Nishioka,Y.Katsube,J.Oda,A.Kimura: "Structure Analysis of Glutathione Synthetase from Escherichia coli B" Acta Cryst.A46. C-132 (1990)
-
[Publications] K.Kubota,Y.Matsuura,S.Sakai,Y.Katsube: "Crystal Structure of Cyclodextrin glucanotransferase Acta Cryst." Acta Cryst.A46. C-132 (1990)
-
[Publications] Y.Matsuura,Y.Katsube: "An Automatic Processing of the Molecular Replacement Method" Acta Cryst.A46. C-113 (1990)