1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63470137
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Research Institution | University of Tokyo |
Principal Investigator |
田中 知 東京大学, 工学部, 助教授 (10114547)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 憲司 東京大学, 工学部, 助手 (50210357)
小野 双葉 東京大学, 工学部, 助手 (00011198)
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Keywords | 超ウラン元素 / 地層処分 / 遅延現象 / 吸着 / コロイド / 限外ろ過法 / 遠心分離 |
Research Abstract |
高レベル放射性廃棄物地層処分の安全評価において重要な超ウラン元素移行挙動把握の基礎となる吸着・遅延現象、コロイド・凝集現象について実験的研究を行なった。 (1)石英砂を充填したガラス製カラムに種々化学形のNp液をパルス的に注入し、溶離した場合の遅延挙動を調べた。酸化性雰囲気においてNpO_2^+が主成分の場合には、pHの増加と共に遅延が大きくなり、表面積依存性が見られた。この事より、NpO_2^+は石英表面にイオン交換的に吸着されるものと考えられた。NpO_2・OH^0が主成分と考えられるpH領域での実験では、遅延はNpO_2^+の場合よりも大きく、またピ-クもブロ-ドであった。これはNpO_2OH^0の石英表面水酸基への吸着と凝集したコロイド状NpO_2OH^0のフィルトレ-ション効果によると考えられる。また、炭酸錯体の場合には遅延しない成分が多く見られた。還元性雰囲気においては、不溶性のアモルファス状化学種である。NpO_2・×H_2O(am)が主のpH,Eh領域において実験した。全く遅延しない成分が見られるとと共に、2〜3ケの分離したピ-クが見られた。 (2)分画分子量10,000(ポア径〜2nm)の限外ろ過と27,000Gの遠心分離(20nm以上の粒子が分離されると考えられる)を用いて、NpO_2OH^0,NpO_2OH^0+Fe,Siコロイド、およびNpO_2・×H_2O(am)についてコロイド・凝集挙動を調べた。NpO_2OH^0溶液については、溶解度以下であるにもかかわらず、限外ろ過及び遠心分離によりトラップされる成分が見られ、前者の方がトラップ率は高かった。これは、微小粒子の捕捉と吸着によるものと考えられる。Fe-Np擬似コロイドが観察され、Fe(III)濃度が高いほど捕集率は大きい。また、NpO_2・×H_2O(am)に対しては、これらの分析法の問題点が明らかになった。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] S.Tanaka: "Speciation and Retardation Phenomena of Neptunium in Underground Environments" Proceedings of the 1989 Joint International Waste Management Conference. 2. 375-382 (1989)
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[Publications] S.Tanaka: "Chemical Behavior of TRU Elements in Underground Environments" Procedings of the International Symposium on Advanced Nuclear Energy Research-Near Future Chemistry-Feb. 15-16,1989,Oarai,Ibaraki. 243-252 (1989)
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[Publications] H.Itagaki: "Neptunium Chemical Behavior in Underground Environments Using Ultrafiltration and Centrifugation" Proceedings of the Second International Conference on Chemistry and Migration Phenomena of Actinides and Fission Products in the Geosphere,Nov.6-10,1989,Monterey. (1990)