1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63480009
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
佐々木 昭治 北海道大学, 理学部, 教授 (10000811)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高田 泰弘 北海道大学, 理学部, 助手 (10163213)
奥山 英登志 北海道大学, 理学部, 講師 (90125295)
福永 典之 北海道大学, 理学部, 助教授 (30113616)
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Keywords | 不飽和脂肪酸 / 脂肪酸不飽和化酵素 / シス / トランス異性化酵素 / トランス型不飽和脂肪酸 / 嫌気的不飽和化経路 / 好気的不飽和化経路 / 好冷菌 / 耐冷菌 |
Research Abstract |
1.好冷菌Vibrio ABE-1株はシス型に加えトランス型の不飽和脂肪酸をもち、しかもその含量は培養温度に依存して増減することが見出された。培養温度が高い程9-trans-16:1は増し、それに相関して9-cis-16:1が減少することから、本菌においては不飽和脂肪酸のシス/トランス異性化という従来全く知られていない方法によって、環境温度の変動に対応していることが示唆された。 このトランス型不飽和脂肪酸はシス/トランス異性化酵素によりシス型より生成されること、本酵素は構成的に存在しホスファチジルエタノールアミンを基質にすること、2位の炭素の9-cis-16:1に高い特異性をもつことを明らかにした。 2.Vibrio ABE-1株は、不飽和脂肪酸合成経路として嫌気的・好気的両経路を持ち、好気条件下では両経路共機能していることが分かった。 3.耐冷菌Pseudomonas E-3株の脂肪酸合成酵素は、ACPに依存する植物及び一部の細菌にみられるタイプIIの酵素である。しかし、膜酵素である不飽和化酵素は専らアシル-CoAを基質とし、アシル-ACPやリン脂質にエステル化された飽和脂肪酸を基質としない動物や酵母に似たタイプの酵素であることが分かった。 不飽和化酵素は、反応の初速度は温度に依存しており、高温の方が初速度は早いが反応は速く停止する。低温における不飽和脂肪酸の増加に、本酵素は直接関係がないらしいことが分かった。 4.この菌もVibrio ABE-1株と同様、好気条件では嫌気・好気両経路により不飽和脂肪酸が合成される。 5.Vubrio ABE-1株の膜の脂肪酸組成を変化させH^+ポンプ、Na^+ポンプの温度依存性を調べた。オレイン酸添加細胞のH^+ポンプは25℃で失活したが、膜の流動性変化によるものでないことが分かった。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] H.Okuyama: Plant and Cell Physiol. 30. (1989)
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[Publications] H.Okuyama: Plant and Cell Physiol.30. (1989)
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[Publications] M.Wada: J.Bacteriol.
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[Publications] M.Wada: Plant and CeLL Physiol.30. (1989)
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[Publications] H.Okuyama: "Thermal acdimation and temperature stress" Akademiai Kiado,Publishing House of the Humgarian Academy of Sciences,Budapest, 1989