1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63480014
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
浅田 浩二 京都大学, 食糧科学研究所, 教授 (50027182)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 正昭 甲南大学, 理学部, 教授 (30027198)
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Keywords | 活性酸素 / スーパーオキシド / スーパーオキシドジスムターゼ / アスコルビン酸ペルオキシダーゼ / モノデヒドロアスコルビン酸還元酵素 |
Research Abstract |
光・酸素ストレスの作用分子となる活性酸素の生成について、スーパーオキシドラジカル光化学系Iでの生成サイトが、チラコイド表面でなく膜の内部であることを明らかにした。このことは生成したスーパーオキシドが膜の表面から遊離する前に光化学系Iの酸化側に電子を与えていることを示唆し、このような機構でスーパーオキシドの遊離を抑制しているように思われる。また、光による系IIの失活が嫌気条件下で促進されること、このときD_1タンパク質はアミノ酸残基の修飾をうけるのみで、断片化は生じていないことを明らかにした。同時にD_1タンパク質のCOOH末端のアミノ酸配列を決定し、前駆体がプロセスされる箇所を明らかにした。 活性酸素の消去酵素であるスーパーオキシドジスムターゼ(SOD)について、イネ、スギナ、spirogyraに葉緑体型とサイトゾル型の2種のCuZnーSODが存在することを明らかにした。葉緑体型CuZnーSODは葉においてのみ発現され、サイトゾル型のそれは非光合成組織に多い。また、SODがらん藻で光ストレス下でアスコルビン酸ペルオキシダーゼと共に誘導合成されることも明らかにした。 過酸化水素を消去するアスコルビン酸ペルオキシダーゼが2種のアイソフォームをもつことを明らかにし、その分子的性質を解明しヘム鉄の他に非ヘム鉄をも含むことを示した。一方、このペルオキシダーゼによってアスコルビン酸が酸化されたときに生ずるアスコルビン酸ラジカルを還元する酵素のアミノ酸配列の一部を決定し、これがリンゴ酸脱水素酵素と高い相同性をもつことを明らかにした。更にこの酵素がリンゴ酸脱水素酵素活性を、リンゴ酸脱水素酵素がアスコルビン酸ラジカル還元酵素活性をも明らかにし、両酵素間に進化的な相関のあることを示した。現在この酵素のクローニングを行いつつあり、今後この酵素の構造、合成制御を解明する予定である。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Kanematsu,S.: Plant and Cell Physiology. 30. (1989)
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[Publications] Kanematsu,S.: Plant and Cell Physiology. 30. (1989)
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[Publications] Takahashi,M.: FEBS Letters. 240. 6-8 (1988)
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[Publications] Takahashi,M.: Archives of Biochemistry and Biophyics. 267. 714-722 (1988)
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[Publications] 浅田浩二: 蛋白質・核酸・酵素. 33. 2957-2964 (1988)
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[Publications] 真野純一: 蛋白質・核酸・酵素. 33. 2862-2868 (1988)
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[Publications] Asada,K.: "Superoxide dismutases,in Metalloproteins Edited by Otsuka and Yamanaka" Kodansha, 331-341 (1988)