1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63480015
|
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
橋本 徹 神戸大学, 理学部, 教授 (60087616)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
八ツ橋 寛子 宮崎大学, 教育学部, 講師 (60182359)
七條 千津子 神戸大学, 理学部, 教務職員
上村 松生 神戸大学, 理学部, 助手 (00213398)
森本 直明 神戸大学, 理学部, 助手 (30174452)
|
Keywords | UVーB光受容体 / 紫外光作用 / エンドウ植物 / Pisum sativum / P290 |
Research Abstract |
紫外B光受容体P290は290nm付近に極大吸収をもつことがホウキモロコシ芽生え(八ツ橋ら1982)、ニンジン培養細胞(1987)においてアントシアニン形成の作用スペクトルから推定されている。パセリ培養細胞でもフラボン配糖体の生成について同様のことが示唆されている(Wellmenn 1971、1974)。我々はエンドウ(アラスカ種)の黄化芽生えの80%含水メタノ-ル抽出物中に、295nmに極大吸収をもつ化合物を見出した。この物質はP290の候補と考えられるので、その生物学的挙動と化学的性質の二、三について調べると共に化学構造の解明を行っている。 1.生物学的挙動 (1)種子の中には全く検出されなかったが、吸水後1日間は約0.1mg/plant検出され、上胚軸の成長に伴って含量が増し、7日後には0.8mg/plant(1mg/g生重量)に達した。(2)上胚軸、子葉および根のすべてに検出され、上胚軸でも根でも成長帯に最も多く存在した(上胚軸3.4、根2.4mg/g生重量)。(3)わい性のプログレス種でもほゞ同様の含量傾向が認められた。上胚軸頂端ホックの含量は4.2mg/g生重量であった。(4)紫外B光、赤色光および白色光照射によって含量は変らなかった。 2.化学的性質と構造 (1)極大吸収λ^<MeOH>_<max>295nm at pH5。アルカリで深色還移を示した。(2)アルカリによって常温で分解し、クロモフオアを失う。(3)3ーHydroxy-2-methyl-4-pyroneおよびSoycsaponin Iより成ることを、NMR、マススペクトル等の解析と標準標品との比較により明らかにした。(4)この化合物をクロモサポニンI(chromosaponin I)と命名した。(5)今後この化合物の全構造の決定を行なってゆく。
|
Research Products
(5 results)
-
[Publications] H.Noguchi,S.Tsurumi,Y.Takeuchi & T.Hashimoto: "Neutral growth inhibitors in light-grown pea shoots---separation,identification and growth regulation" Physiologia Plantarum. 76. 74-80 (1989)
-
[Publications] T.Takagi,S.Tsurumi & T.Hashimoto: "Reversion of the apical hook of pea in the dark and its promotion by a red light pulse" Physiologia Plantarum. 78. 75-78 (1990)
-
[Publications] H.Noguchi & T.Hashimoto: "Phytochrome-mediated synthesis of novel growth inhibitors,A-2α and β,and dwarfism in peas" Planta. (1990)
-
[Publications] S.Tsurumi,H.Noguchi & T.Hashimoto: "Absence of red light-induced growth stimulation in the hook part of etiolated dwarf pea seedlings" Plant Cell Physiology. (1990)
-
[Publications] T.Hashimoto,S.Tsurumi & H.Noguchi: "A novel growth inhibitor and red light-induced dwarfism of pea plants.In:Plant Water relations and Growth under Stress;Proceedings of the Yamada Conference XXII,pp.377ー379" Myu K.K., 507 (1989)