1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63480021
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
鈴木 範男 金沢大学, 理学部, 教授 (20082133)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 正晃 金沢大学, 理学部, 助手 (60182458)
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Keywords | 先体反応 / 卵ゼリー / フコース硫酸タンパク質複合体(FSG) / 抗体 / シアル酸 / 精子活性化ぺプチド |
Research Abstract |
これまでに検討した5目20種のウニ卵ゼリーには低分子成分として精子活性化ペプチドが、高分子成分として糖タンパク質が存在し、バフンウニについては高分子成分中のフコース硫酸タンパク質複合体(FSG)が精子先体反応誘起の主因子であり、精子活性化ペプチドI(SAPーI)が補助因子として働くことを明らかにした。精子生体反応の誘起にはFSGのタンパク質部分も重要であり、プロナーゼ処理FSGの先体反応誘起率は未処理FSGの約50%であった。しかし、プロナーゼ処理FSGにSAPーIを加えると先体反応誘起率は卵ゼリーによる誘起率の約50%にまで増加した。FSGとくにプロナーゼ処理FSGとモネンシンあるいはIBMXで精子を処理した場合、生体反応誘起率が上昇し同時に精子内のcAMP濃度が増加するが、プロナーゼ処理FSGとA23187で処理した精子は先体反応誘起率は増加するがcAMP濃度の上昇を伴なわなかった。このことはcAMPが先体反応誘起の第二次メッセンジャーでないことを示唆している。ウニ卵ゼリー中の高分子成分中に糖成分としてフコースを含まない種(ガンガゼ、クロウニ、ツガルウニ、ナガウニ、パイプウニ)、シアル酸を含まない種(オカメブンブク)、フコースもシアル酸も含まない種(タコノマクラ、ヨツアナカシパン)が存在する。したがって先体反応誘起の主因子についても精子活性化ペプチドと同様に種特異性があるものと考えられる。 精製したバフンウニFSGのポリクローナル抗体(マウスを用いて)を作製し抗体が主にFSGのタンパク質部分に対してできていることをELISA法および免疫電気泳動法を用いて確認した。現在、抗FSGマウス抗血清を用いて昨年10月より本年1月まで採取したバフンウニ卵巣の組織を用いてFSG産生細胞の特定する実験を進めている。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Suzuki,N.;Yoshino,K.;Kurita,M.;Nomura,K.;Yamaguchi,M.: Comp.Biochem.Physiol.90C. 305-311 (1988)
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[Publications] Suzuki,N.;Kajiura,H.;Nomura,K.;Garbers,D.L.;Yoshino,K.;Kurita,M.;Tanaka,H.;Yamaguchi,M.: Comp.Biochem.Physiol.89B. 687-693 (1988)
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[Publications] Yamaguchi,M.;Niwa,T.;Kurita,M.;Suzuki,N.: Develop.Growth and Differ.30. 159-167 (1988)
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[Publications] Yamaguchi,M.;Kurita,M.;Suzuki,N.: Develop.Growth and Differ.(1989)
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[Publications] Suzuki,N.;Yoshino,K.;Kurita,M.;Yamaguchi,M.;Amemiya,S.: "Taxonomical significance of respiratory stimulation of sea urchin spermatozoa by egg associated substances.In Echinoderm Biology(ed.by Robert D.Burke et al.)" A.A.BALKEMA/Rotterdam/Brookfield, 213-218 (1988)
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[Publications] Suzuki,N.: "Sperm activating peptides from sea urchin egg jelly In Bioorganic Marine Chemistry(ed.by Paul J.Scheuer)" Springer-Verlag/Heidelberg, (1989)